いのちを生きる心と身体 (2017年12月8日記事)



その22:師走だからこそ暖炉を囲んで

一年が過ぎ行くのは何と早いのでしょう! 瞬間を大事に生きていきたいと思うのですが「何を?どのように?」と考えてみると、現実的に難しいものです。
思い起こせば、30代はじめは看護師としての仕事と家庭を両立するために走り回っていました。寝る時間を確保するのが大変だったことしか思い出せません。同世代の皆様はきっとうなづいていることでしょう。30代終わりには、仕事への探求心が膨れ上がってアメリカへ留学。英語が得意ではなかったので、大学の授業についていくために寝る時間も惜しんで学習!「日本でこれほど勉強していたら、大した者になっていただろうに」と心から思いました(笑)。
40代になると仕事の責任が増し、よりハードな日々になりました。日本の国立大学で、看護学士と大学院課程の設立に向け朝8時から夜11時まで働く生活に突入。これが毎日続く上に土日も出勤。現在、日本では「働き方改革」として専門職の働き方が話題になっていますが、専門職と言える大学教員は安い給料で残業手当なし。時給にしたら、もう話になりません。働き方改革は何を目指しているのでしょう!?
40代半ばは、とうとう過労死の一歩手前に。「職場では死なないぞ、定年まで無事に終えて世界一周旅行を!」というのが同僚との合言葉になりました(笑)。いえいえ、笑い話ではなく、いのちのリスクと向き合いながら働いていました。最近の日本のニュースでは、過労でうつになったり、自殺や突然死する人たちの話題をよく聞きます。私にとって他人ごとではない話です。
50歳でトロント生まれのジョンと結婚し、カナダへ移住。看護系大学で働き始め、もちろん様々な壁はありましたが、個人の生き方や時間が尊重される社会ではストレスの大きさが違いました。日本にいた40代の頃よりも体調はずっと良くなりました。
60代半ば、歌手として本格的にオリジナル曲のCDを発表したり、弾き語りのためのピアノレッスン、舞台出演に励んでいます。決して簡単なことではないですが、若い頃にできなかった夢や願いですから、こんなに嬉しいことはありません。「年をとるとは素敵なこと」だと思えることこそ真の若さではないでしょうか。
今宵は一番の理解者である夫と暖炉を囲み、互いの夢をゆっくりと語りあいましょう。


「いのちを生きる心と身体」一覧へ

コラム一覧へ