ナーレ・ファルソンさんインタビュー その2

Photographer Sigrid Ingela Blom

前回のインタビューに続き、“小さなクマ=ナーレ”と呼ばれているNalle Pahlssonさんのインタビューをお届けします!

1980年にプロデビューし、2005年にハードロックバンドTreatのベーシストとなったナーレさん。2005~2012年までTreatのメンバーとして在籍し、アルバム『Coup De Grace』にも参加しました。一方、2008年にはシンフォニック・メタルバンドTherionのメンバーになります。Therionでナーレさんを知った方も多いかもしれません。2009年にはハードロック・AORバンド、Last Autumn’s Dream(L.A.D.)のメンバーにも加わります。L.A.D.は毎年アルバムをリリースしており、ナーレさんは5~6枚のアルバムに参加しているそうです。

あまり知られていないことですが、ナーレさんは、他のアーティストさんのアルバムをプロデュースした経験もお持ちだそうです。ご自身のアルバムをプロデュースすることができたのは、こうした経験あってのことだったのだとか。

ベーシストとしては、ハーモニーを重視して屋台骨を支えるタイプ。ナーレさんが引く手あまたなのは、そんなことが理由なのかもしれません。今回ソロアルバムをリリースしたナーレさんに、影響を受けたアーティストやベーシスト論などについても伺っております!引き続きお楽しみください!!



爽快なロックンロールに乗せてナーレさんの男らしいヴォーカルが冴えます。今作でヴォーカリストとしての一面も披露してくださいました。「奏者としての自分とヴォーカリストとしての自分は半々」「歌うのは大好きだよ」と語ってくださいました。


― 他誌でのインタビューで、KISS・Def Leppard・AC/DCからの影響について語っていらっしゃいました。この3バンドから具体的にどんな影響を受けたのでしょうか。

「KISSについては、1974~75年くらいに知って、聴くようになったよ。素敵でキャッチーな曲を書くバンド。Def Leppardは1980年にストックホルムで、スコーピオンズのサポートバンドとして聴いたのが最初だった。スコーピオンズは全く好きになれなかったけど、Def Leppardの印象は強烈だったな。その当時彼らはまだ1stアルバム『On Through The Night』しかリリースしていなかった。でもそのアルバムからリリースを重ねる毎に、どんどん質が良くなっていっている。実際、次のアルバム『High & Dry』ではKISSやAC/DCのようなサウンドになっていた。『High & Dry』はとても好きなアルバムだよ。AC/DCについては…なんというか…彼らが僕にとってリアルなロックンロールのヒーローである!ということだね。70年代には既に音源を聴いていたけど、1981年にストックホルムのクラブで『Back In Black』を初めて聴いて、マジで夢中になったよ!それからというもの、僕はAC/DCの大ファンなのさ!」

― 特にKISSに関しては、KYSSというトリビュートバンドを作っているほどの大ファンでいらっしゃいますね!長く活動しているKISSですが、いつの時代のKISSが一番好きですか?

「1973~1983年までのKISSの全てが大好きだよ!エキサイティングかつミステリアスで。彼らの正体を誰も知らなかった。彼らはリアルに存在する漫画の登場人物みたいなものだった。僕はその頃のKISSの全てが好きだったよ。だから、彼らがメイクを落として、正体を明かした時はとっても残念だった。僕にとってこれは、“サンタクロースを信じている子どもに、サンタは偽物だと明かす”ことと同じことだった。サンタのマスクを取ったら、実の祖父がいたという…。僕にとっては酷い仕打ちだった。世界で最も人気があったKISSは、ボン・ジョビや他のヘアバンド(ヘアメタル)の真似をするようになった。僕はこのころのKISSが嫌いさ。1996年にオリジナルメンバーで再結成した時には、本当に嬉しく思ったよ。すぐさま12歳の少年に逆戻り!!!」

― キャリアを振り返りますと、主にベーシストとしてバンドで活躍されてきました。今作ではギターやキーボードも演奏されています。こうした楽器をマスターしたのは、いつごろだったのでしょう。


「実は僕は、ベーシストというよりは、ギタープレイヤーであると言った方が的確なんだ。子どもの頃、ギターから楽器を始めたから。だけど、いつもベースに重点を置いてきた。ベースは力強い楽器だと思うし、僕と同じように「安定した演奏を支えよう」という意見を持つドラマーと、演奏の基本にこだわっていくことも好きで。「グルーヴを生み出して、着実に音を進める」っていう。僕は実際には、キーボードの演奏はしないよ。キーボードのプログラムを作って、それを思うように組み立てていくことはできるけど。」

― 今作で初めて、ナーレさんのリードヴォーカルを拝聴しました。ナーレさんのヴォーカルは良い意味で男性的で、バラードではソフトに響きます。他の楽器もそうですが、ヴォーカルに関してもトレーニングなどをされたのですか?

「ありがとう!トレーニングという意味では、ずっと他のバンドでバックヴォーカルをしていたからね。それと前から、他のバンドやトリビュートバンドでリードヴォーカルもやっていたよ。自分で自分のことを“半分が楽器演奏者、半分がヴォーカリスト”という風に思っている。歌うのは大好きだよ!」

― ベーシストとしては、他のパートや楽器とうまくハーモニーを作り、支えていくことに非常に長けていらっしゃいますね。日本のことわざで「縁の下の力持ち」という言葉がありますが、他のパートをうまく支えるナーレさんは正にこのタイプだと思います。ご自身では、この点をどう思われますか?


「ベース奏者はバンドや音楽プロジェクトのなかで、全てのパートをまとめる役割を担うことがよくある。ベース奏者は音楽を全体で捉えるから、よきプロデューサーであることも多いのさ。特定のパートや具体的なことよりも、全体で見ることが重要。それに対してギター奏者は楽器に重点を置くことが多いよね。速弾きなどで“一番”になりたがる。シンガーは大きなエゴがある人も多いし…。もちろん例外はあるけど、よくあることだと思うよ。」

― 日本またはトロントにいらっしゃる予定はないのでしょうか??

「残念ながら、今のところはないよ。でも本当に日本に行く機会があればと願っているよ!Royal Mess もTreatもL.A.D.も、日本にレコード会社を持っているからね。この3つのバンドメンバーでいつか一緒にツアーする…なんてことも不可能ではないはずだから…(?)。」

(※(?)は、ナーレさんが入れたものです。)

― 日本(人)のファンの皆さまに、メッセージをお願いいたします!

「本当に日本に戻りたい気持ちでいっぱいだよ。Therionのツアーで一度だけ東京に行ったことがあって、東京がとても好きになった!なんといってもDeep Purpleのアルバム『Made In Japan』(邦題:『Live In Japan』)を見て&聴いてから、ずっと日本の大ファンなのさ。日本の文化や全てが僕にはとても魅力的だよ。そして日本人はいい人ばかり。
近いうちに、皆さんにお会いできることを願って。」

:-)

ナーレ
(※ナーレさんが英語圏の方々が使う顔文字を入れてくださいましたので、そのまま記載いたします。)



アルバムの最後を飾るバラード「See You In My Dreams」のPVがご覧いただけます。切ないバラードを情感を込めて歌い上げるナーレさんの姿にホロリとしてしまいます。アルバムを締めくくるに相応しい曲。




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