蔵の道其の十四(2013年 8月16日記事)

酒粕の話 その1

今日本国内で「酒粕」が非常に人気です。有名なテレビの健康番組で何度も取り上げられたため、今まで酒粕を使用していなかった層まで人気が広まっているようです。

昔から、酒粕は色々なものに使われてきました。甘酒、漬物、魚や肉の粕漬け、鍋など、取り上げればきりが無いほどです。酒粕には新酒の時期に出る一般的な板粕や、半年から1年樽で熟成させてドロドロに熟成した練り粕の両方がありますが、ここでは一般的な板粕のお話をさせていただきます。
この酒粕ですが、人気とは裏腹に、実は日本国内では非常に品数が少なくなっており、価格も毎年高くなっています。なぜならば、日本国内で生産する大手の酒造メーカーが酒粕を出さないような効率的な酒造りを進めていることと、日本酒の生産量自体が年々減っているため、酒粕の供給自体の絶対数が減っているからです。

Pizza e Pazzi また、大手のスーパーや健康食品を扱うお店などでは、地酒の酒粕を希望するところも多く、南部美人でも近年酒粕の需要が供給を追い越すほどの人気があります。そんな酒粕ですが、実は酒粕を見ればその蔵の良心がわかるほど、蔵の酒造りへの姿勢を見ることが出来るということを知っている人は多くありません。良心的な酒造りをしている蔵の酒粕は、米粒の残りが多く、色も真っ白です。逆の蔵は、米粒のかけらも無く、色も黄色に近いものが多いです。また、最近では日本酒の蔵元が手がける酒粕から造る「粕取り焼酎」も注目されてきています。九州の「吟香露」などはその代表作です。この焼酎は、非常に吟醸香が高く、焼酎らしいすっきり辛口な味わいです。
このように人気の酒粕ですが、昔は廃棄処分することも多かったようです。
さらに近年、酒粕は健康と美容に良いという報告も多くなりました。秋田大学医学部名誉教授で、現在は水俣市の助役の滝澤行雄先生は、「酒粕中のアミノ酸効果を深 く生かし、生活習慣病防止のトビラを開こう」とお話しています。酒粕は、すぐれた栄養食品であり、実に100種類以上の栄養分を含んでいるといわれています。

たんぱく質、糖質、インスリン様物質、血圧を下げるペプチドなど有用成分が多く含まれています。これらは麹菌がでんぷんを糖質に変える過程の中で生み出されたも のです。よって、日本酒の酒粕のみに見られる大きな特徴といえます。各種アミノ酸の有益な生理活性は心臓病、ガン、糖尿病、骨粗しょう症、老化、痴呆症などの予防や美容効果を発揮してくれます。酒粕の持つ、健康への効果はこれ以外にも多数あり、南部美人のサイトでも紹介しています。
次回は酒粕と美容に関してお話したいと思います。


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