蔵の道其の十五(2013年 9月20日記事)

酒粕の話 その2

元秋田大学医学部名誉教授の滝澤行雄先生は、「酒粕中のアミノ酸効果を深く生かし、生活習慣病防止のトビラを開こう」とお話しています。
酒粕は、すぐれた栄養食品として紹介されており、実に100種類以上の栄養分を含んでいると言われています。この有用成分とは、たとえばたんぱく質や糖質、イン シュリン様物質、血圧を下げるペプチドなど。これらは麹菌がでんぷんを糖質に変える過程の中で生出されたものです。よって、日本酒の酒粕のみに見られる大きな特徴といえます。各種アミノ酸の有益な生理活性は心臓病、ガン、糖尿病、骨粗しょう症、老化、痴呆症などの予防や美容効果を発揮してくれます。
その中でも肝硬変から「肝臓を守る」という効果は、比較数値にしっかりと表れています。これは、研究データとして非常に面白いものがあります。通常、日本酒やそ の酒粕などが肝臓を守るというのは信じられないかもしれませんが、本当なのです。滝澤先生が15年間の都道府県別肝硬変および、肝臓ガンの死亡率と酒の消費の相関関係を調査したところ、日本酒を飲む人の肝硬変や肝臓ガンによる死亡率が低いことがあきらかになりました。地域別に見ても、日本酒を良く飲む地方よりも、焼酎党の多い地方のほうが肝臓疾患による死亡率が高いこともわかりました。

酒粕にも日本酒同様にアミノ酸成分が含まれていますので、効果があると言われています。ただ、あくまでもまだ研究段階ですので、酒粕を食べれば肝硬変にならない、とは言い切れませんので、その点はご注意下さい。さらに酒粕は美容への効果も高いようです。

Sakekasu 実際に日本酒を造っている杜氏さんや蔵人の手は、すごく白くてスベスベしていて、綺麗なことをご存知ですか?お酒の発酵は25日から35日かけて、じっくりと低温で行なわれ、その間に天然の微生物がいっぱい生れてきます。しかもしぼると、お酒にはこの微生物などは行きにくく、必然的に残った酒粕は酵母など微生物の宝庫となります。中でも最近明らかになったのが、α -エチルグルコシドとα -グリシルグリセロールの保温と肌荒れ防止効果です。実験で一定量のα-エチルグリコシドを入れた水をマウスに一週間与えたところ、肌からの水分蒸散量が通常の半分に減り、一方で皮膚のやわらかさが2倍になるという結果が出ているそうです。
このしっとりスベスベお肌を酒粕で実現するには酒粕石鹸や、酒粕をお風呂に入れた酒粕風呂など有効だと言われています。特に酒粕風呂は手軽に挑戦できると思いますので、是非トライしてみてください。酒粕の健康と美容の関係、本当におもしろいですね。



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