蔵の道其の二十七(2014年10月3日記事)

日本の大きな日本酒試飲会―その3―

日本には今までも紹介してきた様々な試飲会がありますが、全国新酒鑑評会の一般公開試飲会が1番レベルの高いお酒をきき酒することが出来ます。これは昔、国の機関である国税庁醸造試験所が主催で行なっていた全国規模のコンテストです。100年以上の歴史を持つ、日本で最も古いコンテストでもあります。現在では独立行政法人酒類総合研究所と日本酒造組合中央会が主催して開催しています。


昔はこの全国新酒鑑評会で金賞を取るか取らないかで、売り上げが違った、などといわれる時代もありました。

また杜氏たちはこの金賞を目標に日夜努力をし、金賞を受賞することが最大の誉れでした。

しかも、昔は全国新酒鑑評会の予選会として東北新酒鑑評会など、地域で一度ふるいにかけられて、そこで良いものを選ぶ形でしたので、誰でも全国新酒鑑評会に出品できるわけではありませんでした。今はこの予選会というのは無くなりましたが、各県で各蔵の全国新酒鑑評会へ出品するお酒のコンテストは開催されています。ここで悪い評価だったからといって出せないわけではありません。

全国新酒鑑評会は、その昔は販売に利用されて、営業の道具にされていた部分がありますが、現在では純粋に「技術者の技の向上を目指したもの」になっています。大手の酒蔵でも、中小の酒蔵でも、純粋に技術を競い合う場として、技術者にとっては非常にありがたいコンテストです。

今年開催された全国新酒鑑評会では、岩手県は金賞受賞率全国第3位という素晴らしい成績でした。

毎年5月に広島県で酒類関係者を対象とした勉強会と、きき酒会が行なわれており、そこには全国から蔵元や杜氏、蔵人が集まり、5月の広島はまさに全国酒蔵祭りのような様相になります。

非常にレベルの高い大吟醸がそろう鑑評会ですが、実はこの鑑評会の出品酒を一般に公開するチャンスが年に1度あります。毎年6月に東京の池袋で開催される「全国日本酒フェア」内で公開きき酒会がありますので、この時期に帰国している方は是非参加してみてはいかがでしょうか。蔵の最高の技術の結晶を味見してみてください。

● 独立行政法人酒類総合研究所
www.nrib.go.jp



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