蔵の道其の二十九(2014年12月5日記事)

ファーストクラスの日本酒

ファーストクラス。海外に住んでいる方々は特によくわかると思いますが、航空会社が提供する最高のシートとサービスのクラスです。乗ったことのある方はそんなに多くはないと思いますが、このファーストクラスでは、特に日系の日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)では日本酒もしっかりと提供されております。


ファーストクラスの提供酒となることは、実は酒蔵にとっては夢でもあります。

南部美人はJALで提供酒として認定され、2007年12月からファーストクラスで飲まれてきました。

JALの場合、ファーストクラスのお酒は3か月ごとに変わり、毎回2種類がメニューに掲載されます。南部美人と一緒にメニューに掲載されたのは愛知県の「醸し人九平次」でした。

このファーストクラスに採用される日本酒は、2年に一回選考会が開催され、そこで採用が決まります。

まず最初に、JALのほうからファーストクラスもしくはビジネスクラスの提供酒として候補にしたいのでサンプルを送ってもらえるかどうか、という通知が蔵に来ます。この時点で、どういった基準でどんな蔵にオファーしているかは不明ですが、この通知がなければ、審査のテーブルにあがることもできません。こうして選ばれた蔵は、条件にあったお酒をサンプルとしてJALに提供し、そこでソムリエの方や、客室乗務員の方々の選考によって今後2年間の提供される酒の銘柄が決まります。

以前までは日本国内での知名度が優先されていたようですが、最近は海外での知名度の高さも審査に加味されるのではないかと噂されています。

現在、南部美人はJALのファーストクラスの提供酒としてはその役割を終えておりますが、新たに13年から、中東のドバイに本拠地を置く航空会社「エミレーツ」の羽田・成田出発便のビジネスクラス、ファーストクラスの機内酒として提供されております。

こちらは日本酒は南部美人1種類のみで、中東に行く方々に向けて、まさに日本代表として日本酒の素晴らしさを伝えています。

空の最高級のクラスで自分が造ったお酒が提供される誉は蔵の宝です。これからもこの栄光に恥じないような日本酒を造って行きたいと思います。そしてトロントの皆さんもファーストクラスに乗る機会があればぜひ南部美人を飲んでください。



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