蔵の道其の三十二(2015年3月6日記事)

アイガモ農法の米

近年有機米の需要が高まり、岩手県でもアイガモ農法での米作りをしている農家の方が新聞などで取り上げられています。

岩手日報で取り上げられたことがある、岩手県滝沢村の武田さんという農家では、食べるお米のほかにも、酒米もアイガモ農法で作っています。

この武田さんのアイガモ農法で作った無化学肥料無農薬栽培の酒造好適米「美山錦」ですが、うちの蔵に入れていただきお酒を造っています。

アイガモ農法の利点は、アイガモが雑草や害虫を食べてくれて、そのうえ、アイガモが泳ぐことで酸素が水の中に送られ、しかもフンは土にかえって肥料になります。


10アールあたり十羽のアイガモを話しますが、アイガモを狙う動物との戦いが大変で、キツネに200羽近く殺されたこともあるそうです。

田んぼの周りには動物の侵入を防ぐバリケードが張ってありますが、土を掘ってバリケードの中に入ってくるキツネもいるそうで、アイガモ農法はかなり大変な農法でもあります。

この武田さんは「武田家の米」と書いて食べるための米を売っております。この食べる方の米は、一般家庭への通信販売や、盛岡市内の心ある飲食店さんが値段は高いのだけど、あえて安心安全のために使っていたりします。特に小さな子どものいる家庭では、アイガモ農法の米はとても人気が高いそうです。

そして酒米として使うアイガモ農法の美山錦は、非常に力強く、米の力を感じる素晴らしい酒が出来上がります。さらには、日本酒も近年健康志向や安全志向の高まりで、無農薬、無化学肥料栽培といった安全な栽培方法で育った米の酒は、日本でも人気が高まっています。

何よりも、武田さんが言う「自分の子どもを農薬まみれの田んぼに入れられない」という想いに共感できますし、「子どもと楽しく農業がしたい」という考えもなるほどな、と思いました。

また田んぼはアイガモがいることで、地域の子どもたちも農業に興味をもってくれるそうで、次世代に日本の農業を伝えていくためにもこの農法は素晴らしいと思います。


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