蔵の道其の三十三(2015年4月3日記事)

地球温暖化と酒造りの関係について

日本では地球温暖化を防ごうと、夏はクーラーの温度を28度に設定して、ノーネクタイで過ごす「クールビズ」が国会や各省庁、各県庁などの公務員をはじめ、様々な場所で行なわれています。また、冬はヒーターの設定温度を20度にして、ひざ掛けや厚着で暖を取る生活スタイル「ウォームビズ」なども行なわれています。

これは全て地球温暖化の元凶とされる二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないようにする努力で、日本ではかなり定着してきました。

この地球温暖化現象は、実は酒造りにも非常に大きな影響を及ぼしています。

まずその1つに、お酒の原料の米が挙げられます。ここ数年、兵庫県の山田錦という日本で最高と言われる酒米がありますが、これが高温障害を受けやすくなっています。特にここ数年の酒造りでは、この山田錦が顕著に高温障害を受けた影響から、酒造りをするのがとても大変になっています。これは全国の山田錦を使って造る蔵元が影響を受け、特に鑑評会出品酒といわれるものではこの影響が大きく出ました。

山田錦だけではなく、関西や九州の酒米など多くの米が、ここ数年は高温障害になりやすく、酒蔵は酒造りをする冬になる前に、夏の気温の推移などに気をかけなければいけない時代になりました。


また、酒造り全体にも大きな影響を与えています。私達が住んでいる岩手県では今までは、仕込みの温度を自然の外気温度を利用して蒸米を冷やせていました。ですが、ここ最近は仕込み水の一部を氷にして仕込まなければいけない時期が長くなってきました。昔は11月後半になれば氷は使わなかったのですが、最近は12月まで氷が必要になることもあり、毎年驚いています。

しかし、米に関しては、南の山田錦は高温障害で厳しくなっていますが、逆に冷害をいつも心配する岩手県などではここ数年、米の出来は夏の暑さのおかげで最高のものができており、私たちが契約栽培する二戸市の「ぎんおとめ」は昨年1等の上の等級の「特等」が予想以上にでました。

地球温暖化と酒造り、この2つは非常に関係が深いので、これからもしっかりと地球温暖化を意識した生活をしていきたいと思います。


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