蔵の道其の三十六(2015年7月3日記事)

日本の梅酒事情

日本には「梅雨」という言葉がある通り、6月から8月にかけては、梅の収穫が最も盛んになるシーズンを迎えます。梅は梅干しや梅ジャムといった加工品になり、日本を代表する、日本らしさの象徴ともいえる果実と言えます。

そんな梅のお酒、梅酒が日本で今非常に人気です。梅酒を含むリキュール類の出荷は2003年には2万6376キロリットルでしたが、07年には8万7286キロリットルと大幅な伸びを示しています。さらにこの数量は15年の今現在も伸びています。これは、酒税法が改正され、現在の日本酒メーカーが自動的にリキュール免許を付与されたことにより、日本酒メーカーが梅酒に進出をしてきたことも大きな要因です。

実際に東京などのおしゃれなレストランのメニューには、梅酒を10種類以上取り揃えているところがあり、原料が焼酎や日本酒だったり、はちみつや黒糖を使うなど、色々な種類の梅酒があります。


もともと梅酒は家庭でも手軽に作れるリキュールです。梅とホワイトリカーなどの焼酎(中には日本酒を使う人もいますが)、そして氷砂糖を使い、手軽に作れます。しかし、私たちが調査した結果、レストランで梅酒を飲んでいる方々に聞いてみると、カロリーオフの梅酒があったらいい、という意見が圧倒的に多かったのも事実です。

実際に家庭で梅酒を作っている人は、どのくらい氷砂糖を使っているか知っていますし、その量は、焼酎の場合1.8リットルに対して氷砂糖は1キログラム前後とされています。お酒の半分以上の量の砂糖を入れるということは、かなりの量です。コーヒーに半分以上も砂糖を入れたらとんでもない甘さになりますね。日本酒で作る梅酒の場合は砂糖の量はもう少し減りますが、それでも多いことには変わりありません。

そこで私たちは「砂糖や甘味料の類を一切入れないで梅酒を造れないか」と考えました。つまり原材料「純米酒・梅」だけの梅酒です。そんなことを考える人はほとんどいないのが現状で、梅酒は甘いもの、砂糖が入っているもの、という常識を覆し、何と「糖類無添加梅酒」(原材料:純米酒・梅)の開発に成功しました。純米酒の麹の割合を究極まで高めて、麹由来の天然の甘さ、アミノ酸の旨みを最大限残す特殊な仕込み方法を確立したからこそ、できたものです。 梅酒の味わいはそのままで、爽やかな甘みと梅本来の味わいや香りを楽しむことができる大人の梅酒。近い将来海外でも飲めるようになるように頑張っていきます。


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