蔵の道其の三十七(2015年8月7日記事)

日本の梅酒以外のリキュール事情

前回は日本の梅酒事情についてお話しました。梅酒を含む、リキュール類の出荷がここ数年で6倍近くにもなっている今の日本。梅酒以外のリキュールも非常に人気が高くなっています。

その中でも最も人気を集めているリキュールが「ゆずリキュール」です。特に南の地域でゆずを入れたリキュールの開発が盛んで、日本酒の海外輸出を積極的にやっている広島県の「富久長」さんでも、ゆずリキュールを開発して、大人気だそうです。

ゆず以外にもマンゴーや杏、ブルーベリーなどを入れたリキュールも多く開発されており、東京のデパートの地下お酒売り場に行くと、これらのリキュールが日本酒ベースや焼酎ベースなど、色々な形で売られています。

本来食事をしながら飲むお酒はビールやワイン、日本酒などの醸造酒が主となります。しかし日本の食の変化や、若者がアルコール自体を飲まなくなっているため、どうしてもこのような甘みの強いリキュール、そして果実ごとに味わいが全く違う、わかりやすい味のものがうけています。


さらには最近は「とりあえずビール」という言葉自体を知らない若い人も多く、宴会や食事のスタートにビールを選ばず、最初から梅酒などのリキュールを選ぶ人が増えています。

食事自体もマヨネーズを主体にした味付けが多くなったり、純粋な刺身や煮物などが少なくなっていて、特に若者はそういった伝統的な日本料理より、フュージョン料理のほうを好みますので、必然的に一緒に飲むお酒も様変わりしてくるのでしょう。

日本ではビールが高級贈答品になってしまい、普段飲むのは、麦芽などをほとんど使わずにビールと同じ味を再現している「発泡酒」や「第3のビール」と言われる「ビール風味のアルコール」がほとんどです。自分で飲む時は安い発泡酒、人と飲む時はスーパードライ、という分け方をしている人も多いのではないでしょうか。

日本酒はこういう時代だからこそ、愚直にまじめに、伝統的な製法を次の時代に伝えるべく、しっかりしたものを造っていかなければいけないと、あらためて思っています。皆さんも日本の伝統文化の象徴の日本酒をぜひ応援してください。


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