蔵の道其の三十八(2015年9月4日記事)

「ひやおろし」について

日本の誇る自然環境の中の1つに「四季」があります。春夏秋冬がしっかりと区別できて、四季折々のおいしい食べ物や旬の食材が楽しめる素晴らしい国です。

そんな四季が素晴らしい日本で、日本酒にも四季折々のお酒があることを知っていますか?今回はこれから訪れる秋に出る季節のお酒のご紹介をします。

夏の暑さも一段落し、日本はいよいよ「ひやおろし」のシーズンとなってきました。「ひやおろし」という言葉を初めて聞く方もいらっしゃると思いますので、ここで説明したいと思います。

日本酒造組合中央会では「ひやおろし」を以下のように説明しています。

「昔は冬から春につくられ火入れして貯蔵した清酒は、秋になりその温度と外気温が同じくらいになると、貯蔵容器の大桶から樽に詰めて出荷した。これをひやおろし(冷卸し)という。この時期になると、新酒のあらさがすっかり消え、まるみが出て程よく熟成し、酒の最も飲みごろとされていた」。

ようするに、秋口まで蔵元で貯蔵された原酒をそのまま瓶詰めして出荷した、秋あがりのお酒ということです。


日本では9月の初旬から、このひやおろしが各蔵元からどんどん出荷され、秋の名物商品となっています。

そのひやおろしですが、今まで発売時期を明確にしておりませんでした。秋に出す酒、という事で統一はされていましたが、秋とはいつなのか、定義が曖昧で、早く出荷しすぎる蔵もあり、今年から日本酒造青年協議会が9月9日(重陽の節句)をひやおろしの解禁日にすることで合意しました。

よって、今後は9月9日以降にひやおろしが全国で発売されることになりますが、まだまだ日本だけの行事で、残念ながら世界では認識が薄いのが現状です。

これからはひやおろしも世界中で販売されてくる時代が来るでしょう。秋あがりならではのまろやかな風味は、秋の美味しいお魚やおつまみに最高にマッチします。

もしもひやおろしをレストランなどのメニューで見かけることがあったら、秋の名物のお酒ですので、是非注文してみてくださいね。


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