蔵の道其の四十(2015年11月6日記事)

純米酒ファンド

通常日本酒は酒蔵が年間の販売数量からその年のお酒の製造量を決めて、米を自費で購入し、お酒を造り、貯蔵して販売し現金として戻ってくるという流れです。米代金を支払ってからそのお酒が売れるまで短くても3か月、長ければ何年もかかる場合があります。

このように、酒造りは現代の商売としては、酒蔵の負担が大きく、リスクも大きいです。安いお酒を機械で大量生産をしている大手の蔵であれば、あまり気にしなくて済む問題なのかもしれません。しかし小規模の蔵元で、しかも純米酒のように造るのも手が掛かり、貯蔵の年数も多めにとらなければならないお酒を造っている蔵にとっては、非常に大きな問題となります。

そんな中、最近の傾向で、クラウドファンディングでこの米代金を賄おう、という流れが出てきました。日本でも有名な純米酒蔵「神亀」さんが最初にスタートして大成功した「全量純米酒ファンド」です。通常米代金は酒造りが始まる前に全額支払うのですが、その資金の一部をクラウドファンディングで調達します。そして、これに参加した方々に様々な特典を提供することで、自社のファンにもなってもらうという二重のメリットがあります。


当社でも昨年からこのクラウドファンディングで純米酒ファンドを立ち上げ、累計約6,000万円をたくさんの支援者から出資していただきました。特典としては製品の送付や、試飲会への招待などをつけました。ひとくち5万円以上なのにも関わらず出資してくれる方々がこんなにたくさんいらっしゃるとは驚きましたが、それだけこの純米酒ファンドはわかりやすく、そして蔵元への期待を持っている方が多くいらっしゃるという事です。

来年も下記サイトで実施する予定ですので、ぜひチャンスがあれば出資していただき、酒造りの仲間になってもらえると嬉しいです。お金を出したから、というだけではなく、思いも共有し、素晴らしい日本酒をこれからも造っていければ蔵元としてもとてもありがたいです。

新しい時代の酒造りの幕開けでもあると思っています。愛飲家の皆さんと一緒に歩んでいける酒造り、これからも楽しみにしていてください。

■クラウドファンディング music securities
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