蔵の道其の四十三(2016年2月5日記事)

酒風呂の効果

昔から、「酒造りをしている杜氏は水仕事が多いのに、なぜか肌はスベスベしていて白い」という言い伝えがあります。実際に私の周りでも酒造りをしている杜氏の手は白く、スベスベしており、この言い伝えは事実だと感じます。

これはなぜかというと、日本酒の原料である麹の成分に美白、そして肌のきめを整える効果があるからです。さらに、古来から日本酒をお風呂に入れて楽しむ酒風呂は、毛穴の中の汚れを浮き出し、肌をツルツルにすると言われてきました。しかも冷え性の解消にもなると、ひそかに人気の高い入浴方法でした。

私も小さい頃は、冬になると実家の風呂で毎日酒風呂に入っており、寒い岩手でも風呂上がりはとても温かかったことを思い出します。酒風呂の方法は、42度以下のぬるめのお湯に、5合(900ml)の日本酒を入れて入浴します。日本酒を多く入れることに抵抗がある場合は、コップ1、2杯から始めてもいいでしょう。日本酒は飲んでも肌をツヤツヤにしますし、お風呂に入れても肌に潤いを与える、素晴らしい日本の伝統文化なのです。


お酒の会などでも、この酒風呂の効果についてお話をすることが多く、特に女性の出席者から「試してみたい!」という声があがります。しかしながら、飲むためのお酒を実際に風呂に入れるのは相当の覚悟(?)が必要なようで、「日本酒を毎回大量に買うことは難しい」「お風呂に入れるためだけに使うのはもったいない」という理由から、なかなか酒風呂の振興に繋がっていきませんでした。

そんな中、ローレルさんと共同開発した「蔵元の酒風呂」という商品が発売されました。実際に東北6県と新潟県の酒蔵のお酒をローレルさんが入浴剤に加工し、お酒のラベルのまま商品化したものです。

この商品が数多く販売されたことにより、多くの愛好家の方々に酒風呂の素晴らしさを伝えることが出来たと思っています。ただ本来ならば、本当の日本酒をお風呂に入れる酒風呂が一番良いものですので、機会があれば、ぜひ本来の酒風呂も試してみてください。


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