不動産市場および住宅購入について


カナダに長期滞在する日本人にとって気になる不動産購入。ここでは、カナダおよびトロントの不動産市場の現状と投資物件としての不動産の価値、物件のタイプ、購入を決める際の注意点、さらに日本とはシステムの異なる住宅購入のステップを紹介します。


日本では、頻繁に家を買い換えるという習慣がありませんが、カナダでは、結婚、出産などによる家族の増加、または子どもの独立、退職など、家族環境が変わるたびに、それに合わせて家を買い換えることが珍しくなく、約5年に一度、引越しをするという統計もあります。特にトロント地区では移民が多いことから人口増加が続いており、それに伴い、不動産売買件数も年々増加している状況です。

トロントおよび近郊の一軒家、タウンハウス、コンドミニアムなどすべての家屋タイプの2014年度の平均価格は、$566,648(トロント不動産協会の調査による)で、この数字は、前年比8.4%増となっています。また、1980年から2012年までの長期統計を見ると、数回の値下がり期間はあるものの、平均で毎年6%ほどの上昇を続けているという結果が出ています。もちろん、不動産購入は投資目的だけではありませんが、家を購入し、暮らしを楽しみながらそれが効率的な投資にもなるというのが、トロントで不動産市場が活発な理由でもあります。

カナダでは、売りに出る不動産の95%以上が、MLS (マルチプル・リスティング・サービス)というシステムに登録されます。このシステムに登録された不動産は、各都市の不動産協会(トロント近郊を含むトロントエリアは、トロント不動産協会)に所属する全エージェントが照会、仲介することができる仕組みになっています。したがって、不動産を購入する際は、エリアに詳しく、経験の豊富な信頼のおける不動産仲介人(エージェント)1人を選べば、市場に出ているすべての物件をカバーすることができます。
住居購入の手順
1.予算、地区、家のタイプの絞込み
物件を探し始める前にまず、頭金と収入により、いくらまで住宅ローンが組めるか、銀行、金融機関のモーゲージ担当者と話をし、現実的な予算組みをします。また、住宅購入にはクロージングコストといわれる、諸経費も発生しますので、その点も考慮が必要です。次に、交通機関へのアクセス、学校区、住居環境などを考慮し、どの地区に住むかを検討し、ある程度エリアを絞り込みます。

家のタイプには主なものとして、コンドミニアムとフリーホールドがあります。コンドミニアムには、高層アパート型コンドミニアムと、タウンハウスがあります。コンドミニアムを購入した場合は、ビルのユニットは個人の所有となりますが、ロビー、設備などの施設は他の所有者と共有となります。また、月々管理費を支払う必要もあります。一方、フリーホールドは、土地も含めた家屋すべてが購入者の所有となり、したがって、すべて自分で管理する必要があります。
2.不動産仲介人と契約
予算、住みたいエリア、家のタイプなど、自分の希望がある程度固まったら、購入希望の地域に詳しい不動産仲介人(エージェント)を探しましょう。エージェントとは物件探しから、購入に関する交渉、さらに全ての手続きが終了するまでの長い付き合いとなります。信頼できる人を選び、Buyer Agency Agreementという契約を結びます。また、住宅の購入に関し、買主側に立って仲介するエージェントに対しての手数料は通常かかりません。
3.不動産物件の見学
条件に合う物件が見つかればエージェントにより予約を入れてもらい、物件の見学に行きます。リスティングには、写真やVirtual Tourがあるので、予め家の雰囲気はつかめますが、実際に見学をしてみると、印象が違っていたというのはよくあることです。また、家の周辺の治安や環境も検討しましょう。
4.オファーの提出
購入を決定したら、エージェントにより作成されるオファー(Agreement of Purchase and Sale)を元に、購入の交渉に入ります。オファーには、希望購入価格、引渡し日、購入条件など具体的な内容が記載されます。その後、エージェントの介入の元、買い手と売り手の交渉に入りますが、すべてのオファー内容に両者が同意し、契約が完了した段階で、買い手はデポジットとして、通常買値の約5%ほどを支払いを要求されます。なお、このデポジットは購入資金の一部に充当されます。
5.コンディショナル期間
全てのオファーの内容に、買い手と売り手双方が同意し、契約書のconfirmation of acceptanceにサインをすると、契約が結ばれたことになります。しかし通常、オファー内容には、コンディション(条件)が含まれており、買い手側がこの条件を満たさなければ、契約は破棄となります。そしてこの条件を満たすまでの期間をコンディショナル期間とよびます。この条件は、基本的に買い手を守るためのもので、よく提示される条件は、買い手がモーゲージ(住宅ローン)を組めることを確かにすること。そして、特に購入が一軒家の場合、専門家がホームインスペクション(住宅診断)をして、外観からは見えない大きな破損などがないかを確かめること、の2つです。さらに、コンドミニアムを購入する場合は、購入するコンドミニアムの経済状態や規則など、コンドミニアムに関して細部にわたり記載された、現状のレポートであるステータス証明書を、売り手が管理会社にオーダーをし、買い手の弁護士が内容に問題がないことを確認するという条件が入ります。これらの条件が満たされて初めて、本契約となります。

なお、このコンディショナル期間は、条件の内容や交渉にもよりますが、契約書が完了してから(ステータス証明の場合はレポート入手から)通常約3~7日間になります。
6.クロージングの準備
契約後、クロージング(決済資金が入金され、名義変更手続きが済まされる日)までには、通常60日から90日ほどあります。その間に購入者は、ローン融資金融機関に必要書類を提出し、資金融資実行を依頼、家屋保険の購入などの準備をします。登記や融資金融機関からのファンドの受け取りのアレンジなど細かい業務は弁護士が行ないます。
不動産購入に関するご相談は、服部江理子までお問い合わせください。
服部江理子
Royal LePage Signature Realty Inc., Brokerage
Tel:416-371-0224
Email:hattori@rogers.com
www.erikohattori.ca www.torontohomesweethome.com