サンドウィッチのなかみ (2016年1月8日記事)

Vol.74 バラエティで勝負

同じ動作を繰り返すことに弱い私。“継続は力なり”というが、ルーティーンがことのほか苦手。子どもを育てている時は毎晩寝る前に必ず本を読んで聞かせるなど家族のための習慣は別に問題にならなかった。辛いのは自分の為の時間だ。仕事も昼夜、週末週日に無関係ときている。唯一毎週同じ時間に行くのは合唱の練習ぐらい。自分の生活スタイルが健康に反映される今、積極的に取り組む時が来た。

トロントでジムに所属してはいるが、体操のクラスは同じ動作の繰り返しですぐに飽きて長続きしない。プールはいい。でも泳ぎ方も同じでは飽きるので平泳ぎ、背泳ぎ、横泳ぎ、平泳ぎの裏返し泳ぎ、駆け足泳ぎと自己流に取り入れてやっと最低5往復する。あとは足や腕の筋トレの機械を気分次第で巡回する。一番苦手なことは歩くこと。近所のTim Hortonsまで15分歩いてみたが、ついスーパーで買い物をしてしまうので荷が重くなり、歩かなくなった。団塊族はみな歩いているのに、なぜ私は歩けないのか。右膝の痛みもイワシの缶詰を食べるようになってから消えたというのに。飽きずに歩く方法とは?

私が今歩くことにこだわるのは密かな野望のせいでもある。ニューファンドランドラブラドール州のトーンガット山脈を登ることと、グランドキャニオンの谷底を元気なうちにハイクすることだ。旦那はもう歩けないから私1人で行くか同士を誘って行くかしかない。そのノウハウが歩くこと。

一晩考え、家から歩いて行けそうなTim Hortonsをネットで3軒見つけた。スニーカーをはき、防寒具に身を包み、本や学習教材をバックパックに入れてTim Hortonsその1をめがけて歩き始めた。歩けど歩けど着かない。Tim Hortonsが視界に入ったときの安堵感は自分で自分の頭をなでている感覚だ。時計を見たらなんと45分しか経っていない。ゆっくり散歩するのではなくサッサとペースを落とさず歩いたからか。たったのこれしきでと笑われるかもしれないが私にとっては一大イベント。体はほてり、コーヒーどころではない。落ち着いたところでコーヒーをすすりながら2時間文字に没頭する。程よく活性化した脳みそと体の細胞を包みこみ、別ルートで帰途につく。舗装された歩道をできるだけ避け、少し起伏のある芝生を選ぶ。これをジムと交互にやる。

もう3か所のTim Hortonsを巡り、一軒あたり往復約5キロを1〜1.5時間で歩くという私のレベルを確立。膝の健康のバロメーターとしてやってきたスキーもこの冬再開しよう。なにせ“歩けること”に私の将来(野望)がかかっているのだから。気がつくと腕にずっとしていたヘルスモニターのユニットがぽろりと落ちて消えていた。


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