和食のつぼ

 (2013年2月15日記事)

「さしすせそのそ」

これまで調理の仕方や一つの食材を使って、和食料理人が美味しい料理を生み出す秘密やちょっとした美味しさのコツをご紹介して来ましたが、今回からは、調味料にスポットを当ててみましょう。日本料理に欠かせない調味料といえば…『さしすせそ』。

聞いたことありますか? 砂糖、塩、酢、醤油、味噌の5つですね。今回からこの中の『味噌』を取り上げて、大介さんにいろいろ教えてもらいましょう。

「ベースはどれも大豆ですが、ひと口に味噌と言っても、もの凄く沢山の種類があるのを知っていますか?

 米に麹を足した米麹を、ベースとなる大豆とあわせて熟成させたものが米味噌。一般的に市場に出回っている味噌の多くはこれです。米の代わりに麦を使ったものが麦味噌。俗にいう田舎味噌ですね。そして、麦の代わりに大豆を使ったものが豆味噌と呼ばれます。赤味噌が多いですね。米味噌、麦味噌、豆味噌の中でも味や色の異なる味噌があるのは、加える麹や塩の量、熟成期間が異なるからです。

それに、気候や使う水によっても左右されるので、味噌には地域の特性がよく出ますよね」特徴のある味噌と聞いて思い浮かぶのは名古屋の赤黒い八丁味噌。

白味噌は…? 大介さんによれば、料理屋さんでよく使う白味噌は京都の西京味噌だそうです。ああ、西京焼きに使われるあの甘い味噌! 私、大好きです。八丁味噌のような赤味噌は大豆(豆味噌)、西京味噌などの白味噌はお米(米味噌)がメインになっています。

ちなみに、大介さんの実家で使っていたのは、黄色みがある白味噌だったかな…とのことです(ちなみに大介さんは静岡出身)。

「田舎だから米が沢山あったんだと思うよ。米を使って米味噌を作るほうが手軽だったということなんじゃないかな?  

味噌と言うと味噌汁のイメージがありますよね。でも、料理屋さんでは赤味噌だと赤だしとか、白味噌だと魚や肉の味噌漬けなどで使うことの方が多いんですよ。プロ特有の仕事の仕方もあるから、そういうのを順番に紹介していきましょう」 

ところで大介さん、昔は縁の下に保存した、って聞いたことがあるんですが、味噌は冷たいところで保存した方がいいんですか?

「そうですねぇ。味噌の中の麹菌は生きているので、心地よい温度に置いておくと菌が成長します。つまり、熟成していく。だから、冷蔵庫とかの温度が低い場所で保存した方がいいかもね。白味噌は特に。でも、より冷たいところ(例えば冷凍庫とか)が良いというわけではないですよ。味噌の味は全体的に熟成されると変化してゆきます。甘みが増すかもしれないし、塩分は高くなるかも知れない。味噌は日持ちのする調味料ですが、冷蔵庫に入れるのは、味が変わってくるのをなるべく防ぐということですね」。