和食のつぼ

 (2012年12月21日記事)
和食のつぼ 年末年始特大号「お雑煮と紅白なます」

「お雑煮と紅白なます」

今回は、いつもの『和食のつぼ』をお休みして、特別にお正月用の「お雑煮と紅白なます」を作っていただきました! まずはお雑煮から。

「お雑煮は、ご家庭で色々なスタイルがあると思いますが、ここでは昆布とかつお出汁でいただくお雑煮を紹介しますね。まず、出汁から取りましょう。かつお出汁のとり方、覚えていますか??」
昆布は水から入れて沸騰直前に取り出し、一旦火を止めてかつお節をたっぷり入れます。そして、再びふわっと沸騰してきたら直ぐに火を止めましょう。

「一番出汁は絶対にぐつぐつ沸騰させてはいけません。出汁が濁ってしまいますからね。火から下ろした鍋は、かつお節を入れたまましばらく置きます。この時、どうなれば良かったの?」
えーと…かつお節が沈むまで待つんですよね! 
「そうそう、その状態のことをなんと呼ぶの?」

うーん…大介さん、あまり見つめないでください(汗)。確か…すわる! かつおがすわったらOKなんですよね。

「そうですね。ザルにキッチンペーパーなどを敷いて静かに漉してあげましょう。一番出汁なので、ペーパーに残ったかつお節を絞ってはいけませんよ。自然に水分が落ちるまでこのままにしておきましょう。その間に、お雑煮の具の準備にかかります」

今回の具は、ほうれん草と鶏肉、ブリ、大根、人参、そしてもちろんお餅です。

「ほうれん草は茹でて、鶏肉と魚は食べやすい大きさに切り、オーブンで焼きます。オーブンで焼くときは霜降りをする必要はありません。今回はお餅も焼きましょうか? 焼いたほうが餅が汁の中で溶けることなく、美味しく食べられると思います。ブリは縁起の良い魚として、お正月などお祝いの席でよく食べますよね。皮をこうやって引いて…」

さすが大介さん。手際よく魚の皮を引き、ペロッとひっくり返してまな板を拭いて「はい、これで鱗もつきませんね」って…。以前、教えてもらった魚の皮引き、包丁を当てる角度とか、皮の引っ張り具合とか、感覚がとても大切になってくる作業だと思います。だから、上手に引けるようになるには練習しかありませんね。

でも、シェフの技がすぐに自分のものに出来るものもあります。例えば、ほうれん草のような葉野菜の洗い方、ゆで方は覚えていますか? ボウルに流水を受けてほうれん草の足(根元の部分)を持ち”ジャバジャバ”します。その後、鍋に湯を沸騰させ、今度は葉の部分を持って足だけをしばらく茹でるんでしたね。これは、足と葉の固さ、つまり火の通りやすさの違いからですよ。覚えててくれてますか? 足の部分にツメを入れて茹で上がりをチェックし、湯から上げたら直ぐに氷水へ。お雑煮はこれまでの『和食のつぼ』で教えてもらったことが役に立ちますね!

「氷水から取り出したら軽く絞って適度な長さに切ります。さっき、鳥肉と魚を食べやすい大きさに切る、って言ったけど、使用するお椀の大きさを見ながら決めるといいですね。あまり大きく切ると不恰好だし、小さすぎても寂しいよね。さて、最後に汁の準備をしますよ」

先ほどかつお節の水気が切れるまでそのままにしておいた一番出汁。小さめの鍋に入れて火に掛けながら味を整えます。

「まずは塩を少し入れて味を決めます。最初にお醤油を入れてしまってはいけません。お醤油は最後に、香り付けのために入れます」

え!! まずはお醤油だと思ってた。お塩は少しずつ味を見ながら入れないと、辛くなりすぎて水を足したくなるなど、大変なことになってしまいますよ(私のように…)。

さて、準備が出来たところで、早速盛り付けていきましょう。大介さんは、直径4センチくらいの円柱型に剥かれた大根と人参をうす~くスライスしていきます。大介さんが切ると本当に薄くて、向こうが透けて見えるくらい。

「この薄い大根のスライスをお餅の下に一枚敷いて、餅がお椀にくっつくのを防ぎます。生のままだけど、薄くスライスしてあるので、熱い汁を入れると直ぐに食べられる固さになりますよ。具材を盛りつけたら、静かに汁を注ぎ込みます。この時、ゆずの皮を少し削いで上に載せましょう。お椀の蓋を開けた時にふわりとゆずの香りがして、食欲をそそります」

完成したお雑煮、こんなに簡単なのに上品で、ワンランク上のお正月が迎えられそう! 最後にちょっと味見…あぁ、かつおの風味がしっかり効いていて、美味しすぎる。今年のお正月は、こんなお雑煮で家族や友達を驚かせてしまいましょう。





今回のつぼ
汁の味を整えるために、まず少しづつ塩を入れていきましょう。お醤油は最後の香りつけに使います。 あとは、これまでの『つぼ』の復習・応用ですね。