Vol.04: ワインの味の見極めは「地方名」

「フランス産のワインは美味しくない」とか「ちょっと苦手」なんていう声は、特にフランス料理店で働いているとよく聞きます。その一因の一つは、選び方が分かりにくいということにあります。

前回のコラムで「ワインは葡萄の果汁を発酵したら出来上がり。単純だからこそ、気候による葡萄そのものの出来が味わいを左右する」と書きました。一般的にワインは、「葡萄の品種」と同時にそのワインが生産された「国」や「地方」によって分類されます。これは、ワインのスタイルと生産された地域の気候条件に密接な関係があるからです。

葡萄の生育に最適な環境は、一般的に南北緯30~50度と言われています。ちょうど日本がすっぽり入るくらいの範囲ですね。ですが同じ日本という小さな国の中であっても、北の北海道と南の沖縄では気候が全く違いますね。それなのにワインの世界では「フランス産」や「オーストラリア産」というように、国ごとにくくられて判断されてしまいがちです。これは少し野蛮な気がしませんか?

日本で美味しいリンゴを探す場合、品種による違いよりもまず産地を重要視しますよね。リンゴの産地として有名なのは、青森産と長野産です。もし海外から訪れた方がこの2県以外の地方で収穫されたリンゴを食べて「日本のリンゴは美味しくない」と判断されたら、それは違うと思いますよね。

フランス人にとってワインは、私たち日本人にとってのこのリンゴと同じなのです。ワインは文化であり、生活に深く根づいています。どの品種から作られたかというよりは、どの「地方」で作られたかというほうがピンと来るのです。また、料理とワインは彼らにとって切っても切り離せないものです。これは、地方の郷土料理と同じようにその地方のワインのスタイルが知られているからです。

だから彼らはカベルネ・ソーベニヨン種から作られるワインであっても、ラベルにはその葡萄が収穫された「Bordeaux(ボルドー)」と表記します。またシャルドネ種から作られるスパークリング・ワインも、その葡萄が収穫された「Champagne(シャンパン)」と表記するのです。

ヨーロッパの伝統的にワインを生産している国の多くは、フランス同様、ラベルに「品種」ではなく「地方名」を表記しています。ヨーロッパ産のワインは、ぜひ地図を参考に選んでみてください。


今回のオススメ!Kim Crawford Pinot Noir


 

 

ラズベリーと共に、黒こしょう、オリーブ、乾燥ハーブなど南フランスのワインの特徴を教科書通りに味わえるワイン。お肉と一緒に味わって欲しいワイン。

 

 

 

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