Vol. 11: ボジョレーワインとその品質

今回は、ブルゴーニュから南に下ったボジョレーのお話です。

ボジョレーというと、日本ではボジョレー・ヌーボーとして非常に馴染みがありますよね。Carbonic Macerationと呼ばれる特殊な製法で造られるボジョレー・ヌーボーは、収穫したその年のうちにワインが飲めるので、「その年のヴィンテージを占う」などと言われて発売されています。しかし残念ながら、ボジョレー・ヌーボーを飲んでヴィンテージを語っているワイン評論家は聞いたことがありません。またこの製法は酸味とタンニンを抑えることを特徴としており、結果として非常にフルーティーで飲みやすいワインを作るのですが、逆に言えば面白みのない平べったいワインとなってしまいます。赤ワインブームの発端を担ったボジョレーが、愛好家が増えるにつれて、面白みのないワインとして敬遠され売り上げを落とすこととなってしまったのは実に皮肉です。

ボジョレーワインは Gamay 種から造られます。非常に成長力の強い品種で、収穫量が多く、大量のワインを造るのには最適ですが、先述のような薄いワインになりがちです。隣のブルゴーニュでは供給過多による価格と品質の定価を危惧し、Gamay種の生産を禁止するほどです。そんなGamay種も不毛な地区では自然に収穫量が抑えられ、高品質のワインを造ることが出来ます。それがボジョレーの北側に位置するBeaujolais Cru(格上ボジョレー)です。ここでは、Carbonic Maceration製法ではなく、他のワイン同様に発酵、熟成をさせて作ります。これにより、フルーティーでありながらも濃縮感があり骨格のしっかりしたワインとなります。10地区のCruの中でもMoulin-a-VentやMorgonと呼ばれる地区のワインは、10年以上の熟成にも耐えることが出来ます。1か月以内に飲むことが薦められているボジョレー・ヌーボーとは大きな違いですね。

さて、これまでGamayと言えばボジョレーとされてきましたが、最近は格上ボジョレーと同じように上質のGamay種を作る地域が出てきました。それがここオンタリオです。ぜひ今度オンタリオ産のGamayも一度試してみてください。



今回のオススメ!
Château des Jacques Morgon 2013
Gamay


 

ボジョレーの概念が変わる、Morgon地区で作られた一本。この格上ボジョレーの濃縮感とスパイシーさは、ボジョレー・ヌーボーでは決して得られない。

 

 

 

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