Vol. 14: 同じ品種で全く違う味の赤ワイン

9月に入り涼しくなり、赤ワインの美味しい季節になりました。今回は秋に飲みたい赤ワインSyrahのお話です。

Syrahと言われると分からない方も Shirazと言われるとピンと来るのではないでしょうか。Shirazを一躍人気品種にしたのは、オーストラリア。オーストラリア産ワインと言えばShirazというくらい定着していますね。そのShirazのフランス名はSyrah。前回紹介した、Pinot GrigioとPinot Grisというように同じ品種であっても、国によって呼び名は変わり、そのスタイルも変わります。

オーストラリア産のShirazといえば、フルボディで時に甘く感じるほど果実味がたっぷりな赤ワインとして認知されています。ところが、フランス産のSyrah、特に原産地である北ローヌ(Rhone)地方のワインは同じ品種なのかと驚くほど異なっています。北ローヌワインは黒い果実より、赤い果実寄りの風味。フレッシュな黒こしょうの香りと生肉のような(英語でGamey)野性的な香りが相まって、実に深みのあるワインです。また熟成させることにより、生肉の香りが燻製のような香りに変化し、より複雑味を増します。北ローヌ内でも、Côte RôtieやHermitage産の赤ワインは、ボルドーに負けないほど力強く、長期熟成可能なワインです。しかもボルドーやブルゴーニュに比べると、やや知名度が劣るため、価格は幾分か安めに購入できます。とはいえ、それでもかなり高額。

そこでお勧めなのが、同じ北ローヌ内で生産量が多く割安なCrozes-Hermitage産のワイン、あるいはフランス産のSyrahと表記されているワインです。一本20ドル前後で買えますが、その日に飲むものとは別に数本予備に買い、騙されたと思って2年ほど家の片隅で寝かせてみてください。驚くほど香りが変化し、熟成したワインの素晴らしさが味わえます。



今回のオススメ!
Domaine Belle Les Pierrelles Crozes-Hermitage 2012


 

今飲んでも美味しいし、2年後にはまた違った味わいを醸し出してくれるワイン。飲むときは、是非Gameyなラムや厚切りの熟成サラミと一緒にどうぞ。

 

 

 

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