Vol. 16: 良いワインの基準:IntensityとComplexity

前回は南ローヌのワインについて書きました。今回のコラムでは、この南ローヌのワインを参考に私達ソムリエがどういうワインを「良いワイン」と判断するのか書いていきたいと思います。

まず、一つの基準となるのがIntensity(強弱)。ワインの色や香りの強弱を判断するのに用います。ワインの色を判断する際、一般的に濃い方が良いような判断がされますが、これは間違いです。赤ワインですと、まずその色を判断してからその強弱を比べます。赤ワインといっても、その品種によって色合いは、紫や赤、レンガ、オレンジと異なります。その中で、色の強弱を比べます。つまり、濃い紫色のワインと淡い赤色のワインを比べて、濃い紫の方が良いと言っているのは、比べている対象が間違っていて、濃い紫同士のワインを比べて初めて濃い方が良いと言えます。「白い」白人と「白い」日本人のどちらが白いかは比べられないのと同じことです。

香りも同じように、Intensityを比べます。ここでも単純に「香りが強い=良いワイン」とはなりません。一般的に温暖な気候から造られるワインは濃縮感が強く、非常に香りの強いワインとなります。ワイングラスに鼻を近づけなくても、グラスに注いでる時から香りを感じるくらい香りの強いワインもありますが、その品質はComplexity(複雑味)で判断されます。つまり、どんなに香りが強くても、ベリーと樽のスパイスの香りだけしか感じられないワインより、香り自体はそこまで強くなくとも、ベリーに加えて、レザーやマッシュルーム、シナモンやクローブ、そして樽によるバニラといった香りの複雑なワインが良いワインとされます。そして複雑味がある上で香りが強いワインが更に良いワインとされるわけです。

南ローヌには、同じワイナリーからジェネリックなCôtes du Rhône、より限定的なLiracや Gigondas、そして最上級のChateauneuf-du-Papeといくつかのワインを販売しています。同じワイナリーから造られるワインは製法が似ていますので、品質を飲み比べるのに最適です。ぜひ次回のワイン会の際は、南ローヌの2本を飲み比べてみてください。IntensityとComplexityによる品質の違いがよく分かると思います。



今回のオススメ!
M. Chapoutier Côtes du Rhône Belleruche、
M. Chapoutier Chateauneuf-du-Pape Les Grands Merisiers


 

一般的でシンプルなワインと香りの複雑さが味わえるワイン

 

 

 

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