Vol. 17: 「当たり年」のワイン

オンタリオ州の今年の夏は、雨が少なく温かい日が11月まで続くという異例の気候で、葡萄作りには最適の気候となりました。収穫量も多く、オンタリオのワイナリーは嬉しい悲鳴を上げています。2012年以来の「当たり年」です。

こうした「当たり年」という表現は、主に気候が不安定な産地で使われます。代表的なのが、ヨーロッパ産(英語では総じてOld World)のワイン。カナダは、ワイン新興国(New World)でありますが、気候条件は、比較的安定している他の新興国(オーストラリアやカリフォルニア)よりは不安定なヨーロッパに近いため「New Worldでありながら、Old Worldの個性を持つ」なんていう言い方をします。

沢山ある酒類の中で、収穫年(Vintage)の表記を義務付けているのは、ワインだけです。それは、原料となる葡萄の品質は、他の酒類の原料である米、麦、芋といった穀類と比べて非常に気候に影響されやすいからです。気候が毎年異なるOld Worldでは、何年に収穫された葡萄かというのはワインの品質を語るうえで、重要な要素の一つとなります。

ボルドーは収穫年によって、品質が大きく変わる代表的な産地です。同じワイナリーから作られるワインであってもそのVintageによって、2倍あるいは10倍値段が変わることもあります。当然「当たり年」のワインは、非常に高価です。近年でいうと2009年と10年が「当たり年」です。名前の知られているワインの価格は高騰していますが、あまり名前の知られていないワイナリーであってもこの2年のワインの品質は総じて高く、収穫量も多かったため、価格もお手頃です。そしてなんといっても、今が飲み頃。樽、そしてボトル内で程よく熟成されたワインは、フルーティーというよりは、ボルドーらしいハーブや煙草の香りを持ち、時として苦味を感じるタンニンも、この2年で作られた物は程よくドライな味わいとなっています。

この冬LCBOからこの特にこの2年のワインが沢山リリースされております。ボルドーは、ブランドが重視され、価格の割にいまいちという事がよくあるのですが、是非この冬は09年、10年のボルドーをお楽しみください。



今回のオススメ!
Château Larose Perganson 2009


 

ベリー、ナッツに薬草ととても複雑味のある香り。熟成によってタンニンがスムーズで飲
みやすく、そのままでも美味しく味わえますが、是非グリルしたお肉と合わせると
更に良し。

 

 

 

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