Vol. 20:わかりにくい! ボルドーの格付け

今回はボルドーの格付けについてです。 ボルドーを代表する生産地域にPauillac(ポイヤック)やMargaux(マルゴー)があります。よくある間違いが、AOP Margaux(生産地域)とChateau Margaux(生産者)。一般的にマルゴーといった場合は、ボルドー左岸における上質のワインを造る地域を指し、マルゴー(地域)内で作られるワイン、シャトーマルゴーとは区別されます。日本でいうと、愛知県「豊田(市)」に「トヨタ(会社)」があるのと同じです。

さて、そのシャトーマルゴーは、1級ワインとして格付けされています。1855年パリ万博にワインを出品する際、ナポレオン3世はメドックのワインを世に知らしめようと、当時の取引価格やワインの評判などをもとに格付けを行ないました。メドック地区にあるシャトーから選ばれた60のシャトーが、1級から5級までの等級に格付けされました。シャトー・オー・ブリオンだけは、例外的にメドック地区ではなく、グラーブ地区から選出されています。これらのワインには格付けを証明するように“Grands Crus Classé”と表記されています。ただし、紛らわしい点がいくつかあります。まずは、等級を表記しないこと。つまり、1級であれば“Premier Grand Cru Classé”と表記しますが、5級であればわざわざ自ら5級であるとは表記せず、“Grand Cru Classé”とのみ表記されます。

またこの格付けは、1855年以来、一度の例外を除いて、変更されていません。当然、その当時より良いワインを作っているワイナリーもあれば、そうでないワイナリーもあります。また格付けは、シャトーそのものにされています。つまり、オーナーやワインメーカーが変わっても、そのワインの格付けそのものは変わりません。毎年のように星で評価されるレストランとは、大きな違いですね。

右岸にあるサン・テミリオン地区では、独自の格付けを行なっており、メドック同様格付けワインは”Grand Cru Classé”と表記されます。ただし、格付け外のワインであっても一定の数値を満たせば“Grand Cru”と表記することができ、一般消費者にしてみれば格付けワインである“Grand Cru Classé”との違いはわかりにくく、紛らわしさを増します。

カリフォルニアなど新世界のワインの台頭以降、人気が下降するボルドーですが、私には自分で自分の首を絞めているようにしか感じられません。

 

 

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