Vol. 21:この季節にぴったりの白ワイン

ボルドーというとシャトー・マルゴーに代表されるように赤ワインを思い浮かべる方が多くいらっしゃいますが、実は白ワインも造っています。総生産量の10%しか造られていないのであまり知られていませんが、長期熟成に耐えうる素晴らしい白ワインの産地です。

ボルドーで育てられる白ぶどう品種は、Sauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)とSémillon(セミヨン)。ソーヴィニヨン・ブランは、柑橘類やハーブのアロマと爽やかな酸味が特徴。産地によってそのスタイルは変わり、フランス中心部に位置するSancerre(サンセール)地方で作られるソーヴィニヨン・ブランは、その冷涼な気候から、ミネラルとハーブの香りにシャープな酸味を持ち、暑い夏の日にはぴったりのワインで、やや温暖なニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランは、グアバやパッションフルーツといった柑橘系の甘い香りにさわやかな酸味が調和され、特に女性に人気の白ワインです。

サンセールが夏のソーヴィニヨン・ブランならボルドーは、冬の白。まだ涼しい日が続くこの季節にぴったりのワインです。

ボルドーでは、主にこのソーヴィニヨン・ブランにセミヨンをブレンドして造られます。ソーヴィニヨン・ブランの持つ酸味にセミヨンの厚みのある果実味を加えて、まろやかさや芳醇さを持つワインに仕上げます。さらに醸造的にも、ステンレスタンクのみを使用した酸味を強調したフレッシュなものもありますが、赤ワイン同様オーク樽のニュアンスをしっかりとつけたリッチな味わいのワインがボルドーらしいと言えるでしょう。ジロンド川とドルドーニュ川の間に位置したEntre-Deux-Mers(アントル・ドゥー・メール)からは、前述のようなフレッシュなスタイル、Graves(グラーヴ)からは後述のようなややリッチな白ワインが造られます。

ちなみにシャトー・マルゴーも白ワインを造っており、パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴーとして発売されております。シャトー・マルゴーの赤は1級格付けで、高品質のワイン産地である「Margaux」と村名表記となっていますが、白ワインのパヴィヨン・ブランは格付けなしで、低価格ワインで知られる一般的な地方名表記の「Bordeaux」。このことは、同じ造り手の高品質なワインなのに、如何に白ワインが過小評価されているかをよく示しています。

 

 

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