Vol. 22:ソムリエお勧めのチーズによく合うワイン

食事とワインのペアリングについては、お客様からよく聞かれる質問です。私自身は、ペアリングは主観的であり、赤ワインが飲みたいと思っているお客さんに、白ワインが合うからと無理に白ワインを薦めたりするのは少し違うと思うので、出来るだけお客さんの好みを取り入れながら、お勧めをするように心がけています。そんな私が、唯一譲れないものがあります。それは「チーズには甘口ワインという組み合わせです。

「チーズには赤ワイン」というイメージがありますね。しかし、赤ワインにはタンニンがあり、このタンニンにクリーミーなタイプのチーズと合わせると、赤ワインの鉄っぽさが強調されてしまい、合いません。ハードで熟成されたタイプのチーズでない限り、タンニンのない白ワインの方が無難にチーズとは合います。

通常、パーティやレストランでチーズを食べる際には、1種類ではなくいくつかのチーズが並びます。クリーミー(カマンベール)、ハード(パルメザン)に、ブルー(ゴルゴンゾーラ)などが一般的でしょうか。この全く異なった3種類のチーズと1種類のワインを合わせるとなると、少し困難です。ところが、甘口のワインは驚くほどどれにも合うのです。チーズプレートには必ず、ジャムやフルーツが添えられていますよね。それは、チーズの塩気が甘味を引き立ててくれるからです。甘口のデザートワインがチーズに合うのは、このジャムとフルーツと全く同じ作用を起こすからです。そのままでは甘すぎて飲めないと感じる甘口のデザートワインも、チーズと一緒だとサクサク飲めてしまいます。

前回のコラムでは、ボルドーの白ワインを紹介しましたが、同じSauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)とSémillon(セミヨン)種から造られるSauternes(ソーテルヌ)は、世界最高峰の甘口ワインです。ソーテルヌは完熟した葡萄に貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)がついて出来る特殊な葡萄から造られる特殊なワインなのです。貴腐菌が果皮のロウ質を壊すことにより、果汁中の水分が蒸発。糖度が著しく濃縮されて、木になったままで乾葡萄のような状態になっていきます。そんな貴腐ワインは、バターやドライフルーツ、蜂蜜、花などの素晴らしい香りと甘美な風味を備えています。赤ワインだけじゃないボルドーの甘口ワイン。是非チーズと一緒に試してください。より一層ワインの魅力に取りつかれますよ。

 

 

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