Vol. 23:初夏に楽しみたいロワール地方の白ワイン

やっとトロントも暖かくなり、白ワインが美味しい季節になってきましたね。これまでたくさんのフランスワインを紹介してきましたが、フランス最終回の今回は、フランス一の白ワイン産地、ロワール地方です。

ロワール地方とは、一地方ではなく大西洋からフランス内陸部まで1020キロにもなるロワール川流域を指し、区域によって造られるワインは異なります。上流、最東部に位置するのはSancerre(サンセール)村とPouilly-Fumé(プィイフュメ)村。ここではソービニョンブラン種からワインが造られます。シャブリやシャンパーニュに近く、同じ土壌から造られるワインは、ソービニョンブランでありながらシャブリのようなミネラル感と酸味の強いさっぱりとしたワインとなります。

中流では、赤ワインやロゼも造られますが、やはりChenin Blanc(シュナン・ブラン)種から造られる白ワインでしょう。天候が不安定なこの地域では、同じシュナン・ブラン種でありながら、その年の天候に合わせ、全く異なるスタイルのワインが造られます。気温の低い年に収穫された酸味の強い葡萄からはスパークリング・ワインが造られ、Coteaux du Layonとして販売されます。シャンパンと同じ製法で造られるため、日常用のスパークリング・ワインとして最適です。温暖な年はVouvrayやSavaneとして、リッチだけど酸味があり、ほのかに甘みのある白ワインが造られます。特にSavaneは、フルボディで長期熟成にも耐えうるワインです。そして最高に天候にめぐまれた際は、Coteaux du Layonとして素晴らしい貴腐ワインが造られます。前回のコラムで、Sauternes(ソーテルヌ)を紹介しましたが、ソーテルヌは世界最高峰の甘口ワインであり、なかなか気軽に飲めるものではありません。Coteaux du Layonは、リーズナブルな貴腐ワインとしてオススメです。

最後に下流で、大西洋に面しているMuscadet(ミュスカデ)。海岸沿いで造られるこのワインは、レモンのようなシャープな酸味を持ち、シーフードにピッタリです。よく“牡蠣にはシャブリ”と言われますが、温暖化の進んだ今では、このミュスカデの方が合うと思います。特にSur lie(シューリー)と表示されているモノはボディと果実味があり、牡蠣以外のシーフードにもよく合います。

是非この夏は、スパークリングから甘口ワインまで揃ったロワールのワインを味わってみてください。

 

 

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