元気をつくるカンタン薬膳 第1回目 秋の不調を予防する 梨のデザート(2015年9月18日記事)

第1回目 秋の不調を予防する 梨のデザート

はじめまして。オンタリオ州認定中医学専門士で鍼灸師のYukiです。この連載では、トロントの食料品店で手に入る食材で、簡単に薬膳ライフを始める方法をお伝えします。

そもそも薬膳ってなに?
「薬膳」と聞くと、体に良さそうだけどまずそう…とか、興味はあるけど始め方がわからないなど、とっつきにくいイメージがある方が多いのではないでしょうか。でも、生姜や大根、シナモン、シソ、梨にネギ、とうもろこしなどが薬膳食材と聞くとどうでしょう? 誰もが知っている食材ですよね。特に生姜や大根の種、シナモンやシソは漢方薬にも使われる生薬です。こんな風に、みなさんが普段口にする薬膳の食材が多くあるんです。

さらに、日本人の大好きな餃子。実は、水餃子が薬膳料理の起源とも言われています。1800年前、当時の中国で名医だった張仲景(ちょうちゅうけい)が、凍傷に苦しむ貧しい民衆に、羊肉や唐辛子と煮込んで細かく切った生薬を混ぜ、それを小麦粉で作った皮で包んで煮て、薬膳水餃子を作りました。これを食べた民衆は凍傷から救われたと言われています。これが薬膳の始まりです。水餃子が薬膳だったなんて、一気に親しみがわきませんか?

病気になって強い薬を飲み続けるよりも、体の声を聞き、食事でバランスを整え、つらくなる前に対処できれば、こんなに良いことはないですよね。

初秋の食薬、梨
さて 9月に入り、朝晩冷え込むようになってきました。東洋医学の考え方の1つである五行説によると、秋は乾燥による症状が現れやすく、肺のトラブルが増える季節。肺は鼻とも通じ、鼻やのどの粘膜からウイルスや細菌の侵入を防ぐ免疫システムの出入口と考えます。肺は皮膚との関連も深く、乾燥性の湿疹や、アレルギー性の皮膚炎などが出やすくなる時期でもあります。


そんな秋に乾燥する肺を潤す食薬の代表が梨や大根などの白い食べ物。今回は、梨(和梨・洋梨どちらでも)を紹介します。梨は肺やのどを潤し、咳や痰、ぜんそくをやわらげます。昔、中国の乾燥した土地で、喉を痛める人の治療のために梨が利用されました。さらにむくみや便秘、熱風邪、二日酔いの予防(お酒を飲む前に食べます)などにも効果があると言われています。ただ、体を冷やす力が強いので、食べ過ぎには注意です!

おすすめの食べ方は、梨(和梨・洋梨どちらでも)のヘタの部分を横にスパっと切り、芯をくりぬきます。そこにハチミツを大さじ1杯と生姜を1片入れて、アルミホイルで包みます。それを蒸し器で30分程蒸して完成です。梨の寒性がやわらぎ、生姜効果も相まって、美味しい秋の薬膳デザートになります。

 

 

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