元気をつくるカンタン薬膳 海のミルク、牡蠣(2016年12月16日記事)

海のミルク、牡蠣

師走も中旬を過ぎ、パーティーシーズンの到来ですね。そこで今回は、冬に食べたくなる牡蠣のお話です。生牡蠣、焼き牡蠣、牡蠣フライ、土手鍋、チャウダーなど、どう調理しても美味しい食材で、“海のミルク”と呼ばれるほど栄養価もたっぷり。魚介を生で食べることが少ない欧米でも、古くから生食されていますね。冬は、中医学で排泄機能や生命力などを指す“腎”の機能が弱まりやすい時期です。牡蠣のような自然の塩辛い味を持つ魚介類は、その“腎”の働きを助ける、おすすめの食材です。

精神を安定させる漢方薬
中医学では、殻の部分を“ぼれい”、肉の部分を“ぼれいにく”と呼んで使い分けます。殻の部分は、代表的な精神安定薬として、不安、動悸、不眠などの不安神経症や、頭痛、めまい、耳鳴りなどの興奮状態を鎮めるのに使われます。

肉の部分は潤い効果に優れており、血の不足からくる不安感や動悸、めまい、ストレスの緩和やスタミナ不足を補うので、病後や産後の回復サポート、母乳の分泌を促すのにも効果的だと言われています。血を補うことと潤す力が強いことから、美肌効果も期待できますし、イライラや落ち込みなどを伴う更年期にも適した食材です。

中医学でいう“腎”は、水分の排泄以外に、成長、老化、生殖機能を担う臓器でもあると考えられているので、牡蠣はアンチエイジングにも効果があると言えます。



亜鉛とタウリンで肝臓や胃腸をサポート
栄養学的には、鉄や亜鉛、ビタミン、葉酸など、造血に欠かせない成分が豊富で、貧血に有効的です。特に疲労回復に欠かせない亜鉛の含有量が多く、抗酸化作用があり、免疫力を高め、血糖値を下げる効果もあるそうです。

栄養ドリンクでおなじみのタウリンも豊富で、肝臓を元気にすることで血がサラサラになり、血中コレステロール値の減少、高血圧や脳卒中の予防などに役立つといわれています。最近は、この牡蠣のタウリンが、肝臓に溜まった中性脂肪を体外に出す働きがあり、脂肪肝の予防になるということも発表されています。 新鮮な牡蠣は、レモンを搾るか、酢牡蠣として生食するのが一番です。牡蠣に酸味を足すことで、カルシウムや亜鉛、鉄などのミネラルの吸収がよくなり、また酸には殺菌作用がありますので、食中毒の予防にも効果的です。加熱する場合は、煮汁なども摂って、栄養素を取り入れましょう。牡蠣に含まれる亜鉛は加熱すると含有量が増えるそうです。

心も体も元気にする牡蠣を、生食や鍋料理などで、パーティーシーズンに取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

 

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