元気をつくるカンタン薬膳 夏の疲れた胃腸を 癒すトマト(2017年8月11日記事)

夏の疲れた胃腸を 癒すトマト

優れた整腸作用とミネラルの補給に有効的
すっきりしない天気が続くトロントの夏ですが、体調はいかがですか。夏は、湿度や暑さで食欲がなくなったり、冷たいものの摂りすぎで胃腸の消化吸収機能が弱くなってエネルギー不足になり、体が重だるく感じたり、疲れが取れにくくなったりします。
古くからヨーロッパには「トマトのある家に胃腸病なし」ということわざがあります。胃腸の働きを活発にして、消化を高める効果があるからです。トマトは、体内にこもった熱を冷ます働きもあるため、夏にぴったりな食材ですが、冷やして食べると、体を冷やしすぎてしまうこともあるため、冷え性やお腹を壊しやすい人は、常温や熱を加えて食すことをおすすめします。
胃の働きを助け、優れた整腸作用のあるトマトですが、他にもイライラを軽減したり、のどの渇きを潤して、体液を補う働きがあるといわれます。豊富なビタミン、ミネラルが汗とともに流出しがちなミネラル分を補うことができます。

活性酸素を消去する「リコピン」
熟したトマトに含まれる「リコピン」は、活性酸素を消去するということで、ここ何年かで注目されるようになってきました。リコピンは、トマトの鮮やかな赤い色のもとになっている色素で、体内の活性酸素を消去するカロテノイドの一種です。カロテノイドの中でも最も活性酸素の消去能力が強く、βカロチンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上の効果があると言われています。1日に必要なリコピンは15ミリグラム。トマトジュースなら200グラム弱、ケチャップなら大さじ4杯強だそうです。
リコピンは脂溶性で、油と一緒に調理すると吸収率がアップするのだそう。熱に強く、炒めたり煮込んだりしても心配ありません。効率よくリコピンを摂取するなら、トマトジュースやピューレー、ケチャップなどの加工品を利用しても良いそうですが、糖分少なめのものを選ぶことをおすすめします。また、ミニトマトに含まれる栄養素は、大玉の2倍とのことで、そちらを利用してみるのもいいですね。

紫外線対策にも有効! クエン酸で疲労回復も
薬膳では、紫外線対策=トマト。リコピンは、強力な抗酸化作用を持ち、紫外線による体の老化を防ぎます。血液がドロドロになることを防ぎ、シミやくすみを改善すると言われています。
おすすめの食べ方は、甘酢で和えたトマトと玉ねぎのサラダ。トマトも玉ねぎも血液をサラサラにし、血圧を下げる効果があります。冷やして食べると水分が滞りやすくなるので、食べ過ぎには注意しましょう。胡椒など、温性の食材を組み合わせることで、胃腸を冷やしすぎないように工夫ができます。ラタトゥイユやミネストローネスープなどもおすすめです。
また、トマトの酸味のもとである、クエン酸などの有機酸は、疲労物質を取り除く働きがあります。汗とともに流れ出るミネラルを補給する働きもあるので、夏の疲れた体を癒すのにぴったりです。胃腸をいたわり、疲労回復に役立ち、さらに美肌効果もあるトマト。薬効をかみしめながら食すとまた一段とおいしくいただけるのでは。

 

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