トロントを代表するフレンチレストラン、新章のはじまり
Auberge du Pommier
(2015年2月20日記事)

4150 Yonge St.

416-222-2220

Thon($21) ※ディナーのみ

1987年のオープン以来、トロントのフードシーンを牽引してきたAuberge du Pommier。昨年末から日本人の西村元伸氏が新シェフに就任し、従来のモダンフレンチキュイジーヌに新しい風を吹込んでいる。瀟洒なコテージで、美味なるひとときを堪能しよう。

本格フレンチの随所で輝くオリジナリティ

新シェフの登場で、革新的な新生"Auberge du Pommier"の誕生? と想像して訪れたこの日。けれど「前任のマーク・サンジャック氏が築いたものを引継ぐつもりで取組んでいる」という西村シェフの言葉通りに、高いクオリティと卓越したセンスはしっかりと守られている。

ただ今回強く印象に残ったのは、料理の細部に個性と工夫がキラ星のごとく宿っていたことだ。前菜の「Thon」はマグロの赤身と、ゴマの香るうすーい焼皮がミルフィーユのように重なった色鮮やかな一皿。とろりと柔らかなマグロの下にはグリーンソレルのソースが敷かれ、一緒に口に運ぶとこの上なくまろやかなマリアージュが生まれる。

対して横に添えられたカブと大根のピクルスの酸味がアクセントになって、なんとも食の進むこと。ゴマといい大根といい、懐石料理の経験を持つ西村シェフの采配で、意外性のある嬉しい発見がメインディッシュへと期待を持たせ続ける。


ひとつのお皿の中で広がるバリエーション

「鴨を一羽ごとひとつの皿の中に」というコンセプトのメインディッシュ「Canard」は、やわらかな胸肉と、旨味が凝縮した脚肉のコンフィの異なる味わいの対比が印象的。柑橘類のクレメンタインの爽やかな果汁とジンジャー&ハニーソースが、鴨の野性味に軽やかなアクセントを加えて退屈させない。ここでもさりげなく散りばめられたショウガの砂糖漬けや、全体をさっぱり引き締めるしその葉がなくてはならない存在感を放ち、シェフの軌跡を感じさせる一皿に仕上がっている。

季節感と素材の新鮮さを大切にするAuberge du Pommierでは、メニューを柔軟に更新する。伝統を守りながら斬新な感性をプラスした旬の料理を、気持ちも新たに味わいたい。

▲サクサクのパン粉たっぷりのエンダイヴが瑞々しさをプラス /Canard($39) ※ディナーのみ

▲ヤング通りに面した白い洋館は、この辺りのランドマーク的存在

▲暖炉のパチパチと燃えさかる音や暖かさが、特別な時間を演出してくれる。赤ちゃんや小さな子供も大歓迎!




▲日本やフランスでの経験も豊富な西村元伸シェフ


 
 
Auberge du Pommier

4150 Yonge St.

416-222-2220

アクセス:地下鉄York Mills駅から徒歩3分
営業時間:Lunch 月~金 11:45〜14:30
               Dinner 月~木 17:30〜21:00 / 金・ 土 17:30〜21:30
               ※日曜はプライベートイベントのみオープン