愛すべきタイの王室料理を召し上がれ
Kiin
(2018年4月13日記事)

326 Adelaide St W.

647-490-5040


Khao Yum/野菜やハーブなどをジャスミンライスとベリーライスに乗せた、彩り豊かなライスサラダ。一口ごとに違う味を楽しめる($24)




多文化モザイクと呼ばれる都市なだけに、エスニックフードを食すということがトロントの日常を構成する要素の1つであるのは言うまでもない。特にダウンタウンを歩けば、いたるところに様々な国のレストランが立ち並んでいる光景が目に入る。その中でも特に注目を集めているのが、昨年オープンしたばかりのタイレストラン「Kiin」だ。
同レストランのオリジナルコンセプトは、歴代のタイの王族が愛してきた「ロイヤルタイフード」。母国タイとここトロントにて、10年以上もの修業を積み重ねてきた実力派の女性オーナーシェフ、ヌイットさんによるセンスとアイデアが、1つ1つの味にはもちろん見た目にもきっちりと盛り込まれている。ただし、王室の料理と言えど、その基本レシピを紐解けばタイの地元に根付いた家庭料理に繋がっている。そのため、使用する食材や香辛料などは可能な限りタイより直輸入しているとのこと。ヌイットさんは「タイの家庭、そして私自身がそうであったように、母親が子どもへ教える伝統料理の手法を最大限に活かした上で、メニューを提供したい」と語る。また、再現性のこだわりに対する妥協がない一方で、タイ料理特有のクセや食べにくさは極力控えめにアレンジしているのは、彼女のトロントへの想いならでは。「お客様はタイだけでなく、あらゆる国の文化を持つ方々ですから」と、笑顔で語る。洗練さと気品を感じさせるコンセプトにも関わらず、敷居の高さを感じさせない理由は、タイとトロントでの暮らしを経たその個人的経験がポジティブに発揮されているからだろう。
また食事の場であると同時に、「語り合う場」としてのムードを内装や照明などによって演出した、空間デザインも魅力のひとつ。これらは、彼女が学生時代に過ごしたタイの校舎や、目にしてきた建物に着想を得ており、コロニアルで懐古的、かつモダンな雰囲気を愉しめるよう設計されている。そのため、ちょっぴり特別感を出したいディナーの穴場として、カップルがデートで訪れることも多いそう。また、カクテルなどのお酒も専門スタッフがバー越しで1杯ずつ作り上げてくれるので、しっとりと飲みたい気分の夜に足を運ぶのもいい。それぞれの多様な場面を丁寧に彩る存在であることは間違いない。
「Kiin」とはタイ語で「食する」を意味する。タイでは心許せる人々とテーブルを囲み料理をシェアすることが尊重されているため、「大切な人との食事をより幸福で、居心地のいい時間にしてほしい」という思いが込められていることが分かる。料理や空間はもちろん、ヌイットさんをはじめとするスタッフの、温かなホスピタリティを大いに感じるレストランだった。
〈文/中島めぐみ〉




Lobster Tom Yum/風格あるロブスターをまるごと一匹豪快に使用。ぷりぷりの身はもちろん、ココナッツの風味が効いたまろやかなトムヤムスープも美味($40)



Wing Bean Salad/トーストココナッツとピーナッツのほんのり甘めのテイストと、四角豆のシャキシャキとした歯ごたえが際立つサラダ。クセがなく食べやすい。($17)



Chor Ladda/花のカタチを模した見目麗しいスイーツ風フード。ジャスミンライスの小麦粉使用しており、もちもちの食感。食べごたえも十分($12)



 

Kiin

326 Adelaide St W.

647-490-5040



月~水   17:00~22:00
木~土   17:00~23:00
※ブランチも開始予定。詳細はお問合せを