ストイックに和食を極めるこだわりの職人の店
Shoushin
匠心(2016年1月8日記事)

3328 Yonge St.

tel:416-488-9400

▲季節やその日の仕入れによって内容が変わるお任せコース/Omakase C($120)

ヒノキが香る店内で季節の移ろいを味わう

昨年秋にオープンしたばかりだが、既に地元の人を中心にたくさんのファンを魅了してる「匠心」。 店名は中国の熟語「匠心獨運」からきている。工夫を凝らし完璧なものをつくる、という意味だ。その店名からもわかるとおり、同店のこだわりはかなり強い。メニューはなんと、ドリンクを除くと基本はお任せコース3種類のみ。Aコース80ドル、Bコース120ドル、Cコース250ドルとなっており、その日の仕入れや季節にともない、メニューが異なる。
オーナー兼ヘッドシェフのジャッキー・リンさんは、カウンターで直接お客さんと話すことも多いことから、1度聞けば誰が何を好きか、たとえ1か月以上経って再来した人でも覚えているという。それだけ、シェフがそれぞれのお客の心に寄り添って、料理を提供しているということだろう。

そんな心づくしのお任せコースの、今回はBコースをいただいた。その日は秋の余韻が残る、ちょうど秋から冬への移り変わりを映したかのようなお任せコース。まずはレンコン餅から。すりおろしたレンコンに軽く炙った松の実をいれたレンコン餅はふわふわだ。さらに松の実の香ばしさが漂う。鰹出汁が効いたとろみのある餡とサクサクのレンコン餅がうまく絡み、品の良い余韻が残る。次に、お造りの鮮魚が登場。内容は鯛、中トロ、ボタンエビ、ズワイガニ、シマアジ。鮮度重視の魚は日本から仕入れており、内容はその日によって変わる。そして、海老しんじょうに、ほうれん草のお浸し、かぼちゃの煮つけが運ばれてきた。シイタケに乗せた海老しんじょうはよく見るが、これはサツマイモで挟んであってちょっと珍しい。お浸しは鰹出汁が効いていて、シンプルながらも奥深い味わいだ。さらに煮付けは、なめらかな食感とかぼちゃの自然な甘みが懐かしい。

そしていよいよ寿司とアサリのお味噌汁が登場する。本日のネタは穴子とウニ、イカ、イクラ、ホタテ、鯖、ヒラメ、シマアジ、マグロ赤身、中トロ、大トロ。豪華な握り寿司たちは、どれから食べようか迷ってしまう。新鮮なネタを楽しみながら、箸休めに赤だしをすすると、昆布とアサリの旨みがじんわりと体に染み渡る。

そして最後に運ばれてきたデザートは、富士山をモチーフにした抹茶のムース。クリーミーな抹茶のムースとキャラメルが層になっており、上品な甘さ。さくさくのクランチとビターチョコレートソースを付けて食べると、また違った味わいを楽しめる。

同店のこだわりは料理のみでなく、隅々にまで工夫が凝らされてる。特筆すべきは、寿司カウンターなどのテーブルが、日本から取り寄せたヒノキでできていること。特に寿司カウンターは、大きな3本の木から切り出した貴重なもの。ヒノキの良い香りが漂う店内で、贅の尽くされた匠心獨運の料理を堪能したい。



〈文・写真/大塚 まり〉


 
 
Shoushin

3328 Yonge St.

416-488-9400

地下鉄Lawrence駅から徒歩8分
営業時間:
火〜土 17:00~22:00