(2010年03月05日記事)
Caramelized Black Cod ($22)
キングストリート・ウエストの「Lee」はカナダを代表するシェフの1人、スーサー・リーのレストラン。"気張らない“がコンセプトのこの店では、テーブルに並んだ料理にお箸を伸ばしてシェアする光景が当たり前のように見られる。アジア料理をニューモダンスタイルで表現することに定評のあるスーサーが「日本と中国のコンビネーションを北米スタイルで仕上げた」と言うメニューを紹介したい。
アジアの美味を知り尽くしたシェフが作るソースとは?
「Caramelized Black Cod」は、白い銀ダラに温かみを感じさせるイエローとブラウンのトッピングが美しく、多すぎず少なすぎず、全てのエレメントがバランスよく盛りつけられている。味わう前からスーサーの食に対する美意識を感じさせてくれる一品だ。
銀ダラはたまり醤油、ブラウンシュガー、紹興酒で30分ほどマリネードし、ジューシーさを閉じ込めるようにローストされている。アラスカ産の銀ダラは脂がのっているので、添えられたレモンを絞ってから2種類のソースでいただこう。黄色いソースはとろりとした味噌マスタード。甘みのある日本の白味噌に、程良い辛さで滑らかなイングリッシュ・マスタードのミックス。まろやかな甘さの中にマスタードのピリっとした爽やかさがあり、ぽってりとした風味の銀ダラと相性が良い。そして味噌マスタードが日本の味なら、隣にあるのは中国の味。広東料理に青菜系の野菜の芯や根の部分を細かく刻んで漬けものにした保存食があるそうだが、それをブラックビーンソースと合わせたもの。味噌マスタードとはひと味違ったコクと辛味があるが、重すぎず洗練されたバランスの良い味わいになっている。銀ダラの下には飲茶でお馴染みのターニップ・ケーキ。日本人には大根餅として知られているが、こちらも広東料理のひとつ。香港生まれのスーサーにとっては懐かしい故郷の味なのかもしれない。
▲Singaporean Style Slaw (2人前サイズ$19)
オーガニックフラワー、シャロット、タロイモ、ラディッシュ、キャロット、コリアンダーなど19種類の食材が入ったサラダ。味も食感も新鮮!
▲Korean Style Skirts Steak ($24)
柔らかくてジューシーな牛肉のハラミをスパイスとポン酢のソースで。ボリュームがあるのでシェアにもピッタリの一品。
今年はトロントでの スーサー・リーに注目!
アジアン・フュージョンと呼ばれることの多い彼の料理だが、アジア料理の繊細さやバランス感覚を十分に意識しつつ、北米人にはまだ馴染みのない食材や味覚を上手く取り入れている。そして料理で人を喜ばせたいという強い思いとチャーミングな人柄が、世界中の食通から愛される理由であることは間違いない。「Lee」では3月からランチ営業がスタート。08年にオープンしたNYのレストランも軌道に乗り、今年はホームグラウンドのトロントでの仕事を充実させたいと語るスーサー。ますますの活躍が楽しみだ。
〈文・写真/大村 絵理〉
▲日本で食べた地方料理の美味しさが忘れられない、というスーサー。
Lee
603 King St. W.
tel:416-504-7867
www.susur.com
月〜土
Lunch 11:30〜14:30
Dinner 17:00〜23:00
▲Bathurst St.×King St. W.から徒歩3分
▲カジュアルモダンな「Lee」。隣にあるもう1つのスーサーの店「Madeline's」とはキッチンが繋がっている!