(2010年03月19日記事)
Beef Heart ($12)
北米人は肉好きと言われるけれど、レストランではサーロインやフィレ肉が主流で、牛タンやモツ料理等にはなかなかお目にかかれない。そもそもそういった部位を食べる習慣がないのだろう。ところがここ数年、より良い環境で家畜を育てている酪農家から様々な部分の肉を調達し、自家製の生ハムやソーセージなどを出すレストランがトロントにも増えて来た。今日はその中の一軒、「Black Hoof」を紹介したい。
鮮度、味わい、柔らかさ… どれも抜群のクオリティー
冬でも開店前から店の外に人が並び始め、開店後30分も経つと狭い店内はあっという間に満席となる「Black Hoof」、この日のお勧めは「Beef Heart」だ。牛の心臓と思うと少しビビってしまうが、"ハツ“と言えば焼き肉屋さんでも欠かせない一品だし、日本では煮込み料理にも使われている。下味のソースに漬け込んで表面を焼いただけのシンプルな料理だが、肉のクオリティーを楽しむにはピッタリの食べ方かもしれない。
添えられているのはチミチュリー・ソースとサルサ・ベルデの2種類。チミチュリーは主に南米のアルゼンチンやウルグアイ、メキシコなどで肉料理に使われているソースで、ガーリック、パセリそしてタイム、クミン、オレガノなどのハーブ類がベースになっている。緑色と赤色の2種類があり、ここではトマトやレッドペッパーを加えた赤のチミチュリー・ソースが使われている。一方、サルサ・ベルデとは"緑色のサルサソース“のことで、パセリ、ピクルス、ワインビネガーなどをベースにしたサッパリとしたソース。
▲N'duja ($11)
イタリア料理が元祖。スパイシーなソーセージをペーストにして、ブルスケッタに塗ったもの。ワインやビールとも相性良し!
▲Charcuterie(大$25/小$16)
常連客によるとマストアイテムの一つ。バイソンのサラミ、ポーク・リバー・ムース、ダックブレスト等の盛り合わせ、全て自家製。
どちらのソースもスパイスは色々と入っているが、辛いと言う感じはほとんど無く、ジューシーな肉にスーっとした爽やかな風味を加えてくれる。
特に心臓やレバーなどの部位は素材の品質が味にストレートに出るものだ。素材に自信があるからこそ、ソースも敢えて薄い味付けで、肉の味と柔らかさを堪能できるようにしている。また、極細にカットして揚げたタロイモがトッピングされており、カリカリっとした食感とのコントラストも面白い。
自家製のハム、テリーヌ、ソーセージ等の盛り合わせも人気メニューの一つ。大小2サイズあるので人数やお腹の好き具合で選べるのが嬉しい。
ヒップな音楽とお客さん達の会話が賑やかでエネルギッシュな雰囲気。親しい友人と共に美味しいものをつまみながらカジュアルに過ごしたい夜にお勧めの一軒だ。
〈文・写真/大村 絵理〉
▲共同経営者のジェン。スタッフに相談しながら日替わりメニューをオーダーするのがお勧め!