ユナイテッド航空が機内の乗客を強制排除

(2017年4月21日号記事)


4月9日午後5時過ぎ、シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行きのユナイテッド航空3411便内で、オーバーブッキング(過剰予約)によって乗客が搭乗機から強制的に引きずり下ろされ暴行を受ける事件が発生した。発表によると、チケット代を払った顧客が全員搭乗した後、同航空の4人の従業員を乗せることになり、乗客の中から4人の志願者を募ったという。同航空では1人当たり800ドルの補償金を提示したが志願者が現れなかったため、無作為に4人を選び便の変更を要求。しかしそのうちベトナム系米国人のデイビッド・ダオ医師(69)は「診察をしなくてはならない患者がいるため戻らなければならない」とこれを拒否した。このためダオ医師はユナイテッド航空が呼んだ空港の治安当局者によって機内通路を足をつかまれ引きずられ、飛行機から降ろされ、その際に前歯2本を折り、鼻の骨を骨折するなどの重傷を負った。

この模様が機内にいた乗客によって撮影され、ソーシャルメディアで流され大きな反響を呼んだ。世界中でユナイテッド航空に対する非難が高まり、11日にはユナイテッド航空の親会社の株価が、ニューヨーク証券取引所で一時4%も下落し、10億ドルもの損失を生じさせた。事態を重く見た同社のオスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)は声明を出し、「無理やり排除された乗客と機内に居合わせたすべての乗客に深く謝罪する」と述べ、今後、同じような出来事が起きないように配慮すると確約。16日には、従業員の座席確保は出発の少なくとも1時間前に行なうとの新方針を示した。しかしムニョス氏は事件発生直後に、従業員宛てのメールで降ろされた乗客に責任があるとの考えを示し批判を受けている。