マシンを走らせることは地球上で最高の気分
James Hinchcliffe
レーシングドライバー ジェームズ・ヒンチクリフ (2014年7月4日記事)
Ⓒ Andretti Autosport / LAT

勝負に対する恐怖と興奮が交じり合う
エキサイティングな瞬間

毎年アメリカやカナダで開催され、今年は15都市18戦行なわれるインディカー・レース。昨年度の開幕戦セント・ピーターズバーグにて、カナダ人レーサー、ジェームズ・ヒンチクリフ選手が優勝した。念願のキャリア初優勝後、第4戦サンパウロでは最終ラップの最終コーナーでトップに立つという劇的な勝利、アイオワ・スピードウェイではオーバル初勝利と、昨年は3勝を挙げたヒンチクリフ選手。今年も活躍が期待されるヒンチクリフ選手に、昨年度の優勝について、また間近に迫るホンダ・インディの楽しさなどについて話を伺った。

Ⓒ Andretti Autosport / LAT

― A1グランプリやファイアストン・インディ・ライツ・シリーズでも活躍されていましたが、インディカー・レーサーとしてのキャリアは何年になりますか?

「今年で4シーズン目になるね」

― 所属しているチームについて教えてください

「アンドレッティ・オートスポーツには2年前に移籍したんだけど、すごくいいチームだよ。このチームに所属するということはCARTで偉大な功績を残したオーナーのマイケル・アンドレッティという名前を背負うということ。いい意味でのプレッシャーにもなるよね。このチームはここ数年、いい成績を残しているので誇りに思っているよ」

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― 昨シーズンは開幕戦で優勝という幸先のいい滑り出しでしたが、表彰台の一番上に立った時はどんな気分でしたか?

「初勝利を決めたことは今までにない、いい気分だったよ。格段に自信が付いたし、今まで僕がやってきたことが認められたという達成感もあったよね」

― 今年の調子はどうですか?

「今シーズンもいい感じだよ。毎レース、毎レース、すごい早さで時間が過ぎている感じがする。今年はクオリファイ(予選通過)を最重視しているんだけど、これまで(6月4日時点)で5回、フロント・ロー(最前列)からスタートできている。今までのところは満足だね。まぁ、順調なレース展開をしていても、自分がコントロールできない部分でアクシデントが起こって、思った通りの結果が出ない時には不満に思うけどね」

― 現在27歳ですが、いつ頃からレースに興味を持ち始めたのですか?

「物心ついた時からモータースポーツのファンだったんだよね。父親が大ファンだったから、その影響で僕も小さい頃からレースを見ていたんだ。その頃からレースが大好きで今に至っているよ」

― レーサーになっていなかったら、どのような職業に就いていたと思いますか?

「全くわからないよ! よく聞かれる質問なんだけど、いい答えが浮かんだことがないんだよね。スポーツに対するパッションが強いので、レースに絡む仕事をしているとは思うけどね」

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― レースで一番エキサイティングな場面はどこだと思いますか?

「スタート地点は、最もエキサイティングだよね。そこではいろいろなことが起こるからね。ドライバーにとっても、また、ファンにとってもドキドキする瞬間だと思う」

― レース前に必ずしていることはありますか?

「毎回レース前にしている唯一のことは昼寝! 変だと思うよね? でも、昼寝をすると、頭がクリアになるので、それでレースへの集中力を高めているんだ」

― 激しい競争が繰り広げられるレースの世界では精神的なタフさが要求されると思いますが、モットーがあれば、教えてください

「モットーは1つだけではなく、状況に合わせていっぱいあるよ。1つは、"人生は短い"。今を大事にしないといけないとはいつも意識するようにしているよ。あとは父親がいつも言っている"live every day as if it's your last, because one day you'll be right"(毎日、今日が最後の日だと思って生きろ、いつかそういう日が必ず来るんだから)。これもモットーの1つだよ」

― 憧れている選手を教えてください

「もう亡くなっているんだけど、2人の人レーサーだね。壁際ぎりぎりまで攻めるダイナミックさでファンを惹き つけたグレッグ・ムーア選手と、同じく積極的に攻めるドライビングで記憶に残るレーサー、ジル・ヴィルヌーヴ選手。尊敬しているのと同時に

― ジル・ヴィルヌーヴ選手は76年にケベック州トロワ・リヴィエールで開催されたレースで時のレーサー、ジェームス・ハント選手を下し、優勝したことでも知られますが、ジェームス・ハント選手とニキ・ラウダ選手の死闘を描いた『RUSH』(邦題:ラッシュ/プライドと友情)は見ましたか?

「もちろんだよ! いい映画だったよね」

― プレイボーイで破天荒なレーサー、ジェームス・ハント選手と緻密で冷静なドライバー、ニキ・ラウダ選手という対照的な2人ですが、ヒンチクリフ選手はどちらのタイプだと思いますか?

「2人のキャラクター少しずつ入っているっていう感じかな。ハントのレースへの情熱、自分がレーサーであることに対する素直な喜びなどには、すごく共感する部分があるよ。一方、車の中に入ると、ディテールまで気を配って、パーフェクトに仕上げないと気がすまないところはラウダかな」

― 7月19日と20日に予定されているホンダ・インディが近づいていますが、トロントのコースにはどのような印象がありますか?

「ここは本当にトリッキーなコースなんだよね。理由を挙げればいくつも出て来るんだけど。ところどころ凸凹道があって、スムーズなところもあって…。多くの妥協が必要とされる。それが選手にはチャレンジなんだけど、観客にとってはおもしろみになっているんだと思うよ」

― オンタリオ州のご出身ですが、トロントの街の好きなところを教えてもらえますか?

「トロントの人はフレンドリーだし、食べものもいろいろなものがあって、多彩な文化に触れられるところが好きだな。GTAに住んでいると、そこから離れなくても世界旅行を体験している気分になれるところもいいよね」

― ちなみにホームタウンなど、普通道路では何に乗っているんですか?

「アキュラMDXだよ」

― 最後にホンダ・インディを楽しみしている読者にメッセージをお願いします

「インディカー・レースをまだ観たことがない人はぜひ一度観に来て欲しい。一回観に来て、気に入らないようだったらもうインディカーのことは忘れていいから(笑)! だけど、会場で実際にマシンの爆音を聞いて、ガスの臭いを嗅いで、熱狂的な雰囲気を感じたら、ファンになること間違いなしだと僕が保証するよ。だってこれ以上にエキサイティングなスポーツはほかにはないと思うから」。




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Biography

ジェームズ・ヒンチクリフ

1986年生まれ。カナダ・オンタリオ州出身。少年時代からレーシングカートで数々のタイトルを獲得し、03年にF2000への参戦を開始。11年、インディカー・シリーズに参戦し、12年にはアンドレッティ・オートスポーツへと移籍。2度の表彰台フィニッシュを達成し、ランキング8位を記録。13年、開幕戦セント・ピーターズバーグのストリー トで念願のキャリア初優勝を飾った。昨年度のランキングは8位。
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