ロジャース・カップに参戦!
Kurumi Nara
テニス選手 奈良 くるみ (2015年8月7日記事)

前向きにひた走る日本女子テニス界のエース

トロントとモントリオールの2都市にて毎年開催されているテニス国際大会、ロジャース・カップ。トロントは今年、女子の大会の開催地となっており、ヨーク大学の敷地を会場に8月8日(土)から16日(日)に亘り行なわれる。その大会に出場する日本人選手の1人が現在JTA(日本テニス協会)ランキングで女子シングルス1位の奈良くるみ選手だ。2008年には、クルム伊達公子選手の復帰戦でペアを組み、ダブルスで優勝。また、シングルスでは、昨年、ブラジルのリオ・オープンでWTA(女子テニス協会)ツアー初優勝を果たした。日本人女子シングルスのタイトル獲得は史上8人目の快挙であり、09年、韓国オープンのクルム伊達選手以来のこと。世界で戦える選手の久々の登場に、メディアの熱い視線が注がれている日本女子テニス界の期待の星だ。奈良選手のプレースタイルは、精度の高いショットとじわじわと相手を追い詰める戦略的なゲーム展開。今季のグランドスラム4大大会では、全仏オープンで2回戦、全豪オープンは1回戦、そして6月から7月にかけて行なわれたウィンブルドンでは、去年に続き2回戦まで進み、この勢いにのってロジャース・カップに挑む。大会を控えた奈良選手に話を伺った。



―テニスを始めたのは何歳の時でしたか?
「3歳の時です。両親が趣味でテニスをしていたのがきっかけです」

―ジュニア時代からさまざまな大会で優勝されていましたが。ジュニア時代はどういう気持ちでテニスの練習に向かっていましたか?
「友達と遊びたい時もたくさんありましたが、試合で勝つ嬉しさや、勝った時の達成感があったので、練習量は人より多かったと思います。修学旅行などの学校行事に全く参加できなかったので、それがとても残念です」

―岐阜県で開催されているカンガルー・カップでは08年の大会で、クルム伊達選手とペアを組んで優勝されました。大先輩とダブルスを組んだ時の感想を教えてください
「ものすごく緊張したのを覚えています。復帰以前の伊達さんの現役時代をあまり見たことがなかったので、伊達さんのプレーにびっくりしていました。あの時一緒にプレーしてもらったことでたくさんのことを伊達さんから学びました」



—09年にプロに転向されましたが、プロを意識するようになったのはいつ頃からですか?
「07年、世界スーパージュニア選手権大会(大阪市で毎年10月に行なわれている18歳以下の国際テニス大会。グランドスラムジュニア大会に次ぐレベルの高い大会として知られている)で優勝した時に、プロになる事を意識しました」

—プロに転向されてからは、海外での遠征が続く生活かと思われますが、恋しくなる日本の食べ物などはありますか?
「納豆、オクラ、とろろなどのネバネバ系が大好きで、海外にいると、とても食べたくなります」

—海外遠征の際に必ず持っていくものなどがあれば教えてください
「選手にとって睡眠はとても大事なので、自分の枕は毎回持ってきています」

—試合前に集中力を高めるためにしていること、 座右の銘などはありますか?
「試合前はよく仮眠をとります。頭がすっきりするのでたとえ10分でも目を閉じていることが多いです。座右の銘は、高校の先生から貰った言葉で『栄光に近道なし』です」

—テニスにおいてのご自身の性格を教えてください
「すごく慎重な性格だと思います」



—世界のトッププレイヤーたちと対戦するために精神面で心掛けていることはありますか?
「テニスは1年の間で数多くのトーナメントがあり、オフシーズンが少ない競技だと思います。ですので、試合で負けてもすぐに気持ちを切り替えられること、そして、うまくいかない時に前向きになれることが大事だと思います」

—どのようなテニス選手を目指していますか?
「憧れている選手は、ジュスティーヌ・エナン選手です。体格はそこまで大きくないですが、ショットが多彩で試合での駆け引きもうまいところに憧れます。私は身体が小さく、ほかの選手に比べたらパワーもないので、日本人の体格が小さい選手に“小さくてもここまで勝ち上がれるんだ!”と思ってもらえるような選手になれたら嬉しいです」

—昨年度のリオ・オープンで優勝された時の気持ちを教えてください
「1回戦を勝てたら良いなと思って臨んだ大会なので、まさか優勝できるなんて思いませんでした。優勝した時は本当に嬉しい気持ちと信じられない気持ちでいっぱいでした」



—これまでの対戦で一番印象に残っている試合を教えてください
「初めてのグランドスラムの本戦出場を決めた2010年の全仏オープンの予選決勝です。対戦相手は、モニカ・ニクレスク選手でした。予選決勝という緊張する試合で5時間弱のロングマッチを制して夢の本選出場を決めたときは本当に嬉しかったです」

—全仏が終わったばかりですが、今年の成績についてご自身でどう感じていますか?
「シーズンスタートから良いテニスができていると思います。調子が悪い時もありましたが、クレーシーズンも結果に関係なく前向きに自分のテニスに取り組めました。これを続けていればまたどこかでチャンスが巡って来ると信じて引き続き頑張っていきます」

—最後に、ロジャース・カップへの意気込みを聞かせてください
「トロントで行なわれるロジャース・カップは初めての出場なのでとても楽しみです。サーフェスも得意なハードコートなので皆さんに良い試合を見てもらえるように頑張りたいと思います」


 
 


Biography

なら くるみ


安藤証券所属。1991年生まれ。右利き。バックハンド両手打ち。3歳からテニスを始め、ジュニア時代から優勝を多数。2009年4月にプロに転向。14年2月、ブラジルのリオ・オープンでWTA(女子テニス協会)ツアーでの初優勝。昨年度の年末ランキング44位。


オフィシャルサイト: narakurumi.thetennisdaily.jp