壁を乗り越える過程を楽しむ
Mark Masayuki Hashimoto
司会者/経営者  橋本昌幸マーク(2014年4月4日記事)

さまざまなイベントで司会者として活躍し、現在YTV とDisneyXDで放送中の番組「Japanizi:Going Going Gong!」ではコミカルな審判役を務める橋本昌幸マークさん。トークイベント「talk × GENTEN」でも司会 としてイベントを盛り上げる。そのかたわら、現在は家業である料理店「懐石遊膳橋本」の経営にも携わるなど、タレントとして、経営者として走り続けるマークさんの素顔に迫った。

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懐石料理店を営む両親の元で育ったマークさん。全く違う職種のレポーターや司会業に就いたきっかけは? 「小さいとき、よく日本からビデオを送ってもらって見ていたんです。それで、俺もジャ○ーズになりたいな。テレビに出るのって面白そう、なんとかしてテレビに出たい! って思っていました。そんな時、当時僕の日本語の先生だった中村ゆきさんが、CFMT(現在のOMNI)というテレビ局でレポーターをやっているのを知って。ゆきさんは、前回のtalk × GENTEN のゲストスピーカーでもあったんですけど。それで、僕が高校生の頃ゆきさんに1日職場体験をさせてくださいってお願いしたんです。その時初めてテレビ局 に入って、すげーって思いました。いろんな人に、『僕もいずれはここで働きたいです。よろしくお願いします』って言って。それで数年経ってレポーターが少なくなってきた頃にゆきさんから、やってみない? って言われて、ぜひ! って引き受けたのがきっかけです」そうして飛び込んだテレビの世界。

司会をやる上での心がけやスムーズに進めるコツは、なんだろうか。
「常にお客さんを見ます。お客さんの顔色を見ながら、反応が薄いと面白いことを突っ込みたくなる。来てくれるお客さんに面白かった、楽しい時間が過ごせたって思ってもらいたいので。あとはゲストの方と、事前にできるだけリラックスした状態で話をします。そこで面白いと思った事はメモを取って。ゲストが緊張して言葉が出なくなった時や、会場の反応がイマイチになって来た時にメモをした事を振って みる。そうするとそこからまた、ゲストやお客さんの反応があって、会場の空気が変わって来たりするんですよ」話をしてくれる人に興味を持って、さまざまな事を聞き出すのが大切だと語るマークさん。司会の仕事をしている中で、多くのことを学んでいるという。

「この仕事って自分の為になるんですよ。インタビューをすることで、普通だとなかなか出会えない人の話を間近で聞くことができるから。テレビで流れていることって、カットされている部分が多いけれど、それ以外のノンカットの部分を生で聞ける。だからそこがすごく好きですね」 人との出会いや、人の話を聞くことが大好きだというマークさんは、インタビュー中も人懐こく柔らかい笑顔を浮かべながら、楽しげに話してくれる。そんな彼の座右の銘を伺うと、少し意外とも思える言葉が返って来た。

Pizza e Pazzi 「2009年から司会の仕事を一時休み、京都で3年半老舗旅館でマネジメントの勉強をしました。その時親 方がずっと言ってくれていた言葉が『辛抱』だったんです。日本に行く前にイメージしていた生活は、みんなすごいウェルカムで、頑張って一緒に仕事しようよ、みたいな感じだと思っていました。それが全然そうじゃなかった。僕の見た目は日本人でしょ。だけど海外から来て、メインの言語は英語だと言うのが、日本の人に伝わらないんです。だから始めの頃はきつい言い方をされたこともあったけれど、自分はプライドを捨ててゼロからやって、なんでも教えてもらいたいです! っていう姿勢を変えなかった。 そうしていくうちに認めてもらえるようになったんだと思います。何事にも辛いときというのはあるけれど、目標があればそこにどうしてもたどり着きたいって思いますよね。そのために辛抱して、時間をかけて頑張って、クリアできた時に得るものはとても大きい。今では辛いことがあってもそれを乗り越えていく過程を楽しめるようになりました」京都での「辛抱する」という体験をゲンテンとする彼に、これまでtalk×GENTEN に司会者として関わってきた感想を伺った。

「最高! 本当にいいと思う! 自分も京都で文化の違いの辛さとか、新しい環境で1人でやっていく大変さというのを感じて帰ってきて、同じような立場の人たちの為に何かしたいなって思っていたときに司会のお話を頂いて。僕がやりたかったのはこれだ! って思いました。今不安や悩みを抱える人、壁にぶつかっている人にできるだけたくさん足を運んでもらいたいですね。

また、日本からカナダに来ている人だけじゃなく、カナダにいる日系人との交流の場にもなって欲しいと思います。というのも、日系人の中には、日本語が話せないとか、文化を知らないことが理由で、日系人としての誇りが薄れてしまっている人もいるんですよ。それを見ていてもったいないな、もっと意見交換できる場があればな、と思っていて。だからtalk × GENTEN は来てくれた人がただ話を聞くだけでなく、 自分の意見を発言したり質問をするなど、参加してもらえるイベントとして、これからも続けていきたいですね。そういうイベントで司会として携われるのは嬉しいし、これからもいろんな形で協力したいなと思います」

人との出会いを大切にし、時間をかけて一人ひとりの言葉に耳を傾けるマークさん。優しさ溢れる笑顔とユーモラスなキャラクターを携えて、これからも日加の架け橋として活躍してくれそうだ。

 
 


Biography

はしも とまさゆき マーク

トロント生まれの日系カナダ人。様々なイベントで司会進行役を務めるほか、現在放送中の番組「Japanizi: Going Going Gong!」で審判役として出演中。また、家業「懐石遊膳橋本」の経営にも携わ る。カナダと日本の素晴らしさを多くの人に伝える活動に力を注いでいる。