日本とカナダの絆をつなぐ音楽の力
Monkey Majik
震災復興発信使(KIZUNA大使)(2012年3月16日記事)

去る2月19日、外務省から「震災復興発信使(KIZUNA大使)」に任命された日本のバンド「MonkeyMajik」が来加した。カナダ人2名と日本人2名で構成されるこのハイブリッド・バンドは仙台を拠点に活動しており、東日本大震災でメンバー全員が被災。その経験を語るため、そして、カナダからの支援に感謝を込めて来加した彼らにお話を伺った。

昨年3月11日、仙台は雪が舞う寒い日だったという。

「僕は友人のサプリメント会社にいました。その頃は1週間くらい毎日のように地震があり、その日も”あぁ、またか“って。それがもの凄い大揺れになっていったので、皆で顔を見合わせたまま呆然としてしまった。幸い耐震性の高い新築ビルだったので揺れが収まるまで建物内にいました。やっと落ち着いたので外に出てみたら、そこはもう僕が知っている仙台じゃなかった」

ブレイズが、震災当時の生々しい体験を語ってくれた。ボーカルとギターを担当するオタワ出身の兄弟、メイナードとブレイズは、今まで見たことのなかった街の光景を前に、感覚が研ぎすまされ、今、自分は本当に生きている! という強い現実感に包まれたという。

数日後、メンバーはそれぞれ一般にまじってボランティア活動を始めた。3か月間は音楽のことを全く考えらなかったというメイナードは、遺体捜索をする自衛隊の後続につき、津波で打ち寄せられた巨大魚や瓦礫を撤去、ブレイズは濡れた畳を運び、建物内の泥をかき出した。ドラムのタックスは建築資材集めに奔走。ベースのディックが「ボランティア活動をする中で多くの被害者の方々に出会いましたが、皆さん本当に元気で強くて、むしろこちらが助けられました」と語ると、メンバー全員が深く頷いた。

「震災直後、耳に入ってくるのは深刻な状況と生きるために必要な情報だけでした。1か月経った頃かな、初めて音楽が聞こえてきた。その時、ものすごく癒されて…それが『SEND愛』を立ち上げるきっかけになりました」とタックスが言うと、「人々を集め、曇りを輝きに変えるパワー、それが音楽の力です」とブレイズ。

7月に大阪城野外音楽堂でチャリ ティライブ『SEND愛』を開催したMonkey Majik は、売上と収益の合計およそ1500万円を宮城県とあしなが育英会東北事務所に寄付した。その後も、チャリティオークションや仙台でのチャリティライブなどを精力的に展開した。KIZUNA大使として訪れたカナダでは、2月19日にはトロント日系文化会館で、同月21日にはオタワのライブハウスZaphodBeeblebrox で、無料特別アコースティック・ライブを行ない、それぞれ大成功を収めた。

「とにかくカナダに『ありがとう』と言いたいです」とメイナード。「日本はもの凄いスピードで復興しているけれども、実はまだまだ始まったばかり。僕らは今後も被災地から情報発信と復興支援を続けていきます。皆さんにも是非、長期的な支援をお願いしたいです」と続けた。

今月7日には復興支援をテーマに書き下ろした「Headlight」を含む最新アルバム「Somewhere Out There」をリリースした彼らは今年末に北米ツアーを予定している。今回、ライブを楽しんだ人も見逃した人も、次回のライブに足を運び、是非MonekyMajikの『音楽の力』を体感して欲しい。

Biography

Monkey Majik(モンキーマジック)

Maynard Plant(Vo&G)、Blaise Plant(Vo&G)、tax(Dr)、DICK(Ba)。2006 年、「fl y」でデビュー。同年、ドラマ「西遊記」の主題歌「Around The World」が大ヒットしブレイク。以降、仙台を拠点に吉田兄弟ほか数々のアーティストとのコラボや楽曲提供などで活躍。11年、東日本大震災復興支援プロジェクト「SEND愛」を立ち上げ、チャリティライブを開催。震災復興発信使(KIZUNA 大使)、東北観光親善大使、日加修好80周年親善大使(日本)・記念大使(カナダ)。