これからも声で演技することを突き詰めたい
Nobuyuki Hiyama
声優 檜山修之(2017年7月14日記事)

アニメやゲーム、マンガやコスプレといった日本のサブカルチャーは、今や世界中へと広がり国境を越えた多くのファンを集めている。それを証明するかのように、トロントで毎年開催されている「Anime North」は、1997年に数百人規模の小さなイベントとして発足して以来少しずつ進化を遂げ、今では3万人以上もの参加者が集まる北米最大級のコンベンションへと成長した。今年も5月26日から28日の3日間にかけてThe Toronto Congress Centreにて行われたAnime Northには、お気に入りのアニメやゲームのキャラクターに扮したコスプレイヤーをはじめとする参加者たちが集結。さらに、作家やイラストレーター、パフォーマーなどが国内外からゲストとして招かれ、展示やライブ、ワークショップやサイン会などを行い来場者とともに会場を盛り上げていた。
そんな2017年のAnime Northに日本からのゲストの1人として登場したのが、1990年代より声優として活動している檜山修之さんだ。22歳でアニメ『かいけつゾロリ』のミイラ男役でデビューをした後、『地球SOSそれいけコロリン』のシンドローム、『幽☆遊☆白書』の飛影、『機動戦士ガンダムSEED』のムルタ・アズラエルほか、多彩な役をこなしてきた檜山さんは、数多くの作品に出演しながら長年日本のアニメを支え続けている声優の1人だと言えよう。会場で開かれたサイン会には多くのファンが訪れ、記念写真の撮影などで交流を楽しんでいた。サイン会を終えた檜山さんに、声優をはじめた当時の話から、現在における世界的なアニメの人気に対する所感などをうかがった。


声優を始めた頃は想像もしていなかった現在のアニメの人気


―30年近い芸歴を持つ檜山さんですが、現在における世界的なアニメの人気についてどう考えていますか?

僕が声優を始めた頃は、こんな状況になるとは予想していませんでした。まさか、海外でこのようなコンベンションが開かれ、ゲストとして日本の声優が呼ばれるだなんて、恐らく僕だけではなく誰もが想像していなかったのでは。ただただ驚きですよね。



―声優を始めた当時と現在で、大きく変化したことは何でしょうか?

仕事の幅が広がっているということですね。僕たちの世代以前から活躍していた先輩たちの基本的な仕事は、アニメの声に加え、洋画の吹き替えやナレーションでした。基本的にこの3つだったのですが、そこにゲームの音声の仕事が加わり、最近ではスマートフォンでやるアプリゲームの音声の仕事もあります。また、ほとんどのアニメ番組は、インターネットラジオで番宣をすることが多いので、その仕事にたずさわる役者も多いです。中には歌手顔負けの動員数で音楽ライブをするという声優さんもいますね。さっきも言いましたが、そんなことになるとは想像もしていなかったんですよ。


―環境の変化に伴い、檜山さんの心境も変わりましたか?

僕自身の心境はそこまで変わっていないんですよ。声優として一番大事なのは「声」で何かを表現するということ。それが主流であり、ほかの仕事は支流だと思うんです。ですから、声優である以上は声で演技をすることが軸である部分は変わっていませんね。


―声優を始めた当時と現在で、大きく変化したことは何でしょうか?

仕事の幅が広がっているということですね。僕たちの世代以前から活躍していた先輩たちの基本的な仕事は、アニメの声に加え、洋画の吹き替えやナレーションでした。基本的にこの3つだったのですが、そこにゲームの音声の仕事が加わり、最近ではスマートフォンでやるアプリゲームの音声の仕事もあります。また、ほとんどのアニメ番組は、インターネットラジオで番宣をすることが多いので、その仕事にたずさわる役者も多いです。中には歌手顔負けの動員数で音楽ライブをするという声優さんもいますね。さっきも言いましたが、そんなことになるとは想像もしていなかったんですよ。


―これまでに多彩なキャラクターを演じられてきましたね。演じる際には、その役に対して徹底的に専念するとのことです。どのように役作りをするのでしょうか?

役作りには各自の方法論があると思います。僕の場合は、台本をいただいたときの最初の直感ですね。アニメの場合はキャラクターの絵を見たとき、洋画の場合は俳優さんの芝居を見て解釈します。そうやって、いつも第一印象で決めていますね


―今まで演じてきた中で、一番思い入れのあるキャラクターを挙げるとしたら?

もちろん、すべてのキャラクターに対して均等な思い入れはあるのですが、強いて挙げるならば僕が初めてレギュラーの仕事として演じた『地球SOSそれいけコロリン』のシンドローム役ですね。当時はまだ仕事が安定していない駆け出しの声優という立場でしたが、レギュラーの仕事があるかどうかで精神面が相当違うんですよね。声優の仕事一本だけで生活するのは難しい時期だったのですが、レギュラーの仕事があるだけで自信に繋がったんです。当時は同年代の役者たちが、僕よりも先にレギュラーを獲得していたので、焦りや嫉妬とまではいきませんが、先を越された気分にはなりましたよね。そんなこともあり、自分もレギュラーの仕事が欲しいと思っていたところで得た役だったので、やはり嬉しかったんですね。




―アニメの海外輸出と進出はますます活発になることが予想されます。今後の展望や、新たに挑戦したいことがあれば教えていただけますか?

やはり、声優の基本的な立場として「声」で演技することをこれからも突き詰めたいと思っています。個人的な展望としては、より多彩な役をこなしていくことですね。それと、我々は求められることが重要。自分から役を取りに行くわけではなく、選ばれて役を演じます。ですから「檜山に任せておけば安心だ」とスタッフさんに思ってもらえるような役者でありたいです。




―トロントにおける、日本のアニメファンに伝えたいことはありますか?

日本のアニメ文化が、ここまで世界的に受け入れられることになるとは思ってもいませんでした。日本のアニメとゲームを愛してくれてありがとうと、心から率直に言いたいですね。逆に、トロントでのコンベンションがこんなに盛り上がっているという情報を持ち帰り、仲間たちに伝えたいなと思っています。

 

Biography

ひやま のぶゆき
1990年代より活動する声優。二枚目や三枚目役、悪役から熱血漢まで幅広く演じる実力派の役者。アニメはもちろんのことナレーターや洋画の吹き替え、ゲームの音声など声にまつわる仕事を数多くこなしている。