都会に渦巻く愛と性を問う『東京~ここは、硝子の街~』
Tomoko Nakajima
タレント/女優 中島 知子 (2014年11月7日記事)


愛とは執着をせずに相手を思いやること…それが理想です

新宿2町目でバー経営をしている傍らモデルをしている大学院生のトオル(木村敦)。ある日、トオルは、韓国人男性(JK)に出会い、恋に落ちる。2人の関係が進むのと並行してトオルの周りでは不可解な失踪事件が発生する。そこには、20年前に起きた殺人事件が絡み、警察の捜査上にはトオルのゼミの教授、赤木春子(中島知子)が浮上し…。

8月21日から行なわれたモントリオール世界映画祭。開幕式のレッドカーペットには映画『東京〜ここは、硝子の街〜』の寺西一浩監督、出演者のJKさん(K-POP デュオ「GO.X」のメンバー)、そして中島知子さんらが登場し、来場者から大きな歓声で迎えられた。

翌日に行なわれた初回の一般上映会も大盛況。劇場でのQ&Aを終えた後、中島知子さんに話を伺う機会を得た。

▲左から製作総指揮の大原英嗣さん、監督の寺西一浩さん、中島知子さん、JKさん

― まず、昨日の開会式でレッドカーペットを歩いた感想を聞かせてください

「いざ歩いてみると意外に短いなって思いましたね(笑)。開会式の後、すぐに上映会があってクロード・ルルーシュ監督作品の『Salaud, on t'aime(原題)』 を観たんですけど、あれほど有名な監督なのに、舞台挨拶でちょっとだけ話して、”それでは見てください“というあっさりした感じだったのにびっくりしました。ヨーロッパの映画祭に比べるとカジュアルな雰囲気ですよね」

― 中島さんの着物姿にうっとりしている地元の人たちが多かったです。お似合いですよね

「ありがとうございます。誰だか分からなくても、着物を着ていると目立つという理由で着ています(笑)。夏用なのでそんなに暑くないんですよ」


― 今回の作品に出演したいきさつを教えてください

「昨年、この映画の製作総指揮である大原英嗣さんから、劇中に出ていた東京ボーイズコレクション(日本最大級の男性ファッション&音楽イベント)のファッションディレクターをして欲しいというオファーがあり、その縁で寺西監督から”映画に出演しませんか?“とお誘いを受けたんです。その時に、”変わった役であれば、よろしくお願いします“と伝えて、今回の役をいただきました」

― ”変わった役で“というのはどういう理由からだったのですか?

「私の場合、テレビに出る仕事をしているので、映画に出ていてもテレビに出演している”中島知子“が出てしまう…。強いキャラクターがあると自分も入りやすいですし、見ている人も混乱しないかなということからです」

― 複雑な役どころでしたが、共感できる部分はありましたか?

「感覚的に共感できる部分はあまりなかったですね…。でも、自分の好きな人が突然…ということを考えたら、どうなるんでしょうかね。私の役柄は自分の世界から出ない人(過去の傷を忘れることなく、そのまま負って生きていく人)という設定なんですけど、そういう人もいるんだなという感想を持ちましたね」

▲映画『東京~ここは、硝子の街~』より

▲映画『東京~ここは、硝子の街~』より

― 共演者について印象的な方はいらっしゃいましたか?

「キレイな男の子ばかりの若手の多い現場でしたが、その中で田島令子さんがいらっしゃるとそこだけ空気ががらりと変わりました。本当に素敵な方で、大先輩として尊敬しています」

― 物語のテーマは”ボーイズラブ“。中島さんご自身の同性愛に対するスタンスを聞かせてもらえますか?

「同性愛については全く何の抵抗もないですね。映画のようなキレイな2人は、余計にいいかなと思います。自分にも女性を見てキレイだな、いいな、と思う人に対しては、性別に関係なく憧れるという感覚はありますし。自分は昔から女の子に憧れられるという感じだったので、女子高には行かないようにしていました(笑)。(映画に話を戻すと、彼らは)純愛というか、繊細すぎるくらい繊細なので、そこは同性愛という部分に凝縮されているのかも知れないですよね。それに比べて、女性は強いですよね。苦労なく大切に育てられたお譲さんだとしても、何かつらいことがあった場合、自分の世界に閉じこまらずに、なんとか超えていこうとする強さを持っていますよね」

― 最後の部分で”愛とは…“という命題を問いかけるモノローグがありましたが、中島さんにとって愛とは?

「どこまで相手の身になって、生きられるかということですよね。誰だって執着したくなるんですけど、執着せずに相手を思いやる、それが理想です。でも、超自己中心に生きているんでね(笑)。自分に置き換えて愛とは…となると、どこまで自分の言うことをきいてくれるかということですかね。自分の指示した通りにどこまで相手が動いてくれるかっていうね。そこに本当に愛情はあるのか、とは毎回言われるんですけど(笑)」


― ファッションディレクター、司会業、女優とマルチに活躍されていらっしゃいますが、それぞれの醍醐味を教えてください

「ファッションは単純に好きだということですね。普段から男の人の服をコーディネートするのが好きなんです。誕生日とかじゃなくても、”あ、これ彼に似合うだろうな“と思ったら、勝手に買っちゃうこともあるくらいで…。司会業については、特にやりたかったという感じはありませんでした。司会をする女性は少ないので、最初から人数の少ないところに入っていったっていうのが、成功したんだと思いますね。司会業というのは、けっこう大変なんですよ。自分の色を出しているようにみえて、自分を殺してやっているんですよ。あっちを、こっちをフォローして…と、大変なんです。ワンマンの人もいますけれど(笑)、それはショーですよね。大変ではありますが、その分、やりがいもあります。自分の天職だと思っています。女優については、演技の仕事を今後も増やしていきたいと思っています。演じることはもともと大好きなので。映画『極道の妻たち』シリーズの大ファンなんです。濡れ場にもチャレンジしたいなと思っております。オファーをお待ちしております!」

― 最後に映画の見所を教えてください

「男同士の純愛というのは東京の今の若者たちの間では特別じゃないということを監督は言いたかったのかと思います。美しい男の子たちがいっぱい出ていますので、イケメンが好きな方にぴったりの作品です(笑)」。



 
 


Biography

なかじま ともこ


京都府京都市出身。1993年、お笑いコンビのオセロを結成し、バラエティ番組などTV出演多数。2002年から女優として活動開始。テレビドラマでは05年、『ルームシェアの女』で主演を務める。同年、NHK大河ドラマ『義経』に出演。映画では『三年身籠る』(06年)、 『ハダカの美奈子』(13年)で主演を務める。『東京~ここは、硝子の街~』は11月8日(土)より ヒューマントラストシネマ渋谷 他 全国順次上映。北米では2015年、ニューヨークのQuad Cinema にて公開予定。

『東京~ここは、硝子の街~』オフィシャルサイトwww.tokyo2014.com
中島知子 オフィシャルブログameblo.jp/tomoko-ni-yorosiku