海外のステージに挑み続けるロックバンド
VAMPS
ロックバンド ヴァンプス(2016年12月16日記事)

音楽が宗教や人種などのボーダーを超える


日本が誇るトップバンド、L'Arc~en~CielのボーカリストであるHYDEと、ロックバンドのOblivion DustのギタリストであるK.A.Zから成るバンドVAMPS。2008年の結成以来、世界を舞台に活動しており、これまでに北アメリカをはじめ、アジア、ヨーロッパ、南アメリカまでを駆け抜けてきた。そんなVAMPSが「VAMPS North American Tour 2016」と銘打ち、北アメリカツアーを敢行し、去る11月14日に初となるトロント公演を行なった。 スーパームーンと呼ばれる大きな満月が上がった当日、会場のLee's Palaceにはオープン前からライブを待ちわびたファンで大行列が。まずは、地元のハードロックバンドSecond Passがフロントアクトを務め、同ツアーのスペシャルゲストであるデトロイトのバンドCitizen Zeroが印象的なショーを披露。月がより一層輝き始めたころに、いよいよVAMPSが登場。開始直後に音響トラブルに見舞われたが、それも生モノであるライブの醍醐味だと言えよう。高い演奏力と迫力満点のパフォーマンスで、トロントの観客をぐいぐいと引きつけていく。K.A.Zがかき鳴らす熟練のギターサウンドと、HYDEのエモーショナルなボーカル、さらにサポートメンバーたちの情熱的なプレイが心地よく重なり合い、お客さんを煽りながら極上のワールドスタンダードなロックを奏でた。 日本国内でも野外ライブや音楽フェスティバルの主催など、多忙な日々を送るVAMPS。彼らはどのような心意気で、海外で挑戦し続けているのだろうか。

―トロントの訪問は初めてですか?

HYDE「そうですね。アメリカ側からナイアガラまでは行ったことがあったけど、国境を越えたのは今回が初めてです。今日到着して、会場に着くまでバスの中から景色を眺めてましたが、住みたいと思える雰囲気の場所がたくさんあって。湖が大好きなんだけど、湖畔に立つ家などもすごく素敵で。本当にきれいな街なんで、住んでる人がうらやましいです」

K.A.Z「カナダ自体に初めて来たんだけど、サーモンが美味しそうだから、食べてみたいね」

―サーモンはどこで食べても本当に美味しいですよ! さて、海外を舞台に活動しているVAMPSですが、改めてその理由をお聞かせください

K.A.Z「やはり、作った音楽は大勢の人に聴いて欲しいし、世の中に広めたいというのが根本にあって。だから、わざわざ日本限定にする必要は無いのかなと。自分自身も、ごく自然に洋楽を聴いて育ってきたしね。もっとナチュラルに海外に出て行って、自分たちの演奏を多くの人に楽しんでもらいたいなと」

―自身が主催するフェスで海外アーティストをブッキングしたり、作品でも海外のプロデューサーらと共演されています。その狙いについて教えていただけますか?

HYDE「自分たちを海外で売り込むときに、自分たちだけで宣伝するのはなかなか難しいんですよね。やっぱり、両者でトレードしてつながるほうが、よりスムーズにアメリカなどで活動することが可能になる。自分たちが海外に広まりやすいような場を作っているんです」

—ライブや楽曲で共演するアーティストは、自分たちからオファーをしているんですか?

HYDE「そうですね。自分たちがもともと知ってるアーティストだったり、あとは事務所が紹介してくれるという場合もあります」

K.A.Z「アメリカでVAMPSのマネージメントをしてくれてる事務所が、こんなバンドはどう? って紹介してくれたり、一緒にツアーをしたら面白いバンドをピックアップしてくれたり」


©安西 護

―海外で活動をする上で、日本との違いを感じるのはどのような点になりますか? たとえば、音の鳴り方などもずいぶん違うのでは

K.A.Z「海外のほうが、音の重心が低い感じがするね。たとえば、海外のプレイヤーを見ていても、ドラマーの体型がどっしりしていて、それが演奏スタイルにも表れてると思う。あとは、音の作り方にしても、日本だときれいにすべての音を出そうとしているけど、今だと余分な高域と低域の音は、邪魔だからカットしたり、必要な部分をバランス良く出してる。それでも、総合的に見て心地良い音楽に仕上がっているんだよね」

HYDE「日本人は特に、音楽を聴くポイントが違うような気がしますね。だから、海外の人が日本人の音楽を聴くと、少し高域が目立って聴こえるかも。日本人がそれを好んでいるのかも知れないね」 K.A.Z「さらに、日本での“ロック感”とも異なる気がする。日本人の好きな傾向と海外の人が好きな傾向があって、さらに各国でも違ってくる。そこにいい意味でアジャストすることを意識してるかな」


©安西 護

—海外ツアーならではの出来事を教えていただけますか?

K.A.Z「ツアーバスで回っているので、シャワーに入れない日が続くこともあったり(笑) 。そんな過酷な状況でも楽しんでるけどね。日本は、新幹線や車で移動がスムーズにできるから、そういう部分は便利だなと感じるね」

—今までに印象的だったライブ会場はどこでしたか?

HYDE「ジャカルタでのライブが印象的でしたね。インドネシアにはイスラム教などの宗教があって、頭にターバンを巻いたお客さんが一緒に歌ったりしてくれる。その光景を見て、音楽が宗教や人種などのボーダーを超えたことを感じました。感動的なライブになったし、それこそ海外で音楽をやっている意味を感じましたね」

—では、最後に。今回のツアーにサブタイトルを付けるとしたら?

K.A.Z「ミニマムツアー。最小限の人数で、短期間で、最大の力を出してやっています」

HYDE「あとは「RISE OR DIE」。「やるか、死ぬか」ですね」。


©安西 護


Biography

ヴァンプス
精力的な活動を続けるロックバンドVAMPS。最新シングル「INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White」では、アメリカのプロデューサー、ハワード・ベンソンを迎え制作。MV集『HISTORY-The Complete Video Collection 2008-2014』も好評発売中。

オフィシャルサイト: :www.vampsxxx.com