新時代を切り開いていく現代音楽家
X[iksa]
音楽ユニット イクサ(2014年4月4日記事)

世界各地と日本国内合わせ250以上の公演回数を誇るバイオリンとハープのデュオユニット「X[iksa](イ クサ)」のトロント公演が3月19日に行なわれた。
音楽の解釈を広げることをテーマに現代音楽を追求する彼らのコンサートは、前衛的な音と演出で観客の 心を揺さぶった。鳴り止まない拍手で大盛況に終わったコンサート翌日、バイオリン奏者の辺見康孝さんとハープ奏者の松村多嘉代さんにお話を伺った。

― このユニットで挑戦されている現代音楽とはどういうものなのでしょうか

辺見さん「現代音楽というのはクラシックの延長線なんです。現代音楽というと、メロディらしいメロディもそんなにないし、和音もないしという感じで敬遠されがちなんですけど、誰もやったこと のないものをやるからこそ、芸術は新しくなっていくんです。鳥の鳴き声を音楽だと感じる人もいれば、風の音を聞いて音楽だと捉える人もいるように、音楽という解釈をどんどん広げていくのが現代だと思っています。僕たちがやっていることは一見難しそうに見えるけれど、"なんとなく面白いことしてるな"と か"なんかすごいな"っていう印象を持ってもらえればと思っています」

― 現代音楽に傾倒していった理由は何だったのですか?

辺見さん「作曲家と一緒に音楽を作っていけることに魅力を感じています。どの時代も新しい事をやるのは困難だけれど、絶やしてはいけないと思っています。100年後には今やっている音楽がもっと浸透していると思うし。商業的に売れなくても、芸術作品を無くしたらダメだと思っているんですよね。日本の現代音楽を世界に広めたいという思いでやっています」
松村さん「辺見さんに影響を受けたのも大きいですが、同世代を生きている作曲家の方と仕事ができることにも魅力を感じました」

― お2人がバイオリン、ハープを始めたきっかけとそれぞれの楽器の魅力を教えてください

辺見さん「3歳の頃にTVでバイオリンの演奏を見て、"やりたい"って言い出したのがきっかけです。その後、やりたくない時期もあったんですが、大学生の頃に現代音楽の作品に出会ってから再熱して、そこからやり直した感じです」
松村さん「3歳からピアノを習い始めて音楽大学のピアノ科を卒業しました。妹がハープをしていたんですが、その妹がフランスに留学することになって、代わりに実家にあるハープのメンテナンスをしていたら、だんだん興味を持ち初めてのめり込んでしまい、今に至ります。ハープの魅力は、音が柔らかくて音色が美しいところですね。体を密着させながら演奏するので、自分の指で直接弦を弾いてその振動が直接身体に伝わるところが好きです」

― 現代音楽もそうですがバイオリンとハープの組み合わせって珍しいですよね。2人で活動するようになった経緯を教えてください

辺見さん「このユニットは僕が大阪で活動しているアンサンブルにゲストミュージシャンとして松村さんを招いたのが始まりです。彼女のハープの音色に惹かれました。ハープとバイオリンはとても相性が合うと思います」

― 今回のトロント公演はどのような経緯で実現したんですか?

辺見さん「僕が音楽活動をしていることを地元にあるバーの経営者に話したところ、彼のお父さんがカナダで活躍する現代作曲家マイケル・ペパさんであるということを知り、紹介してもらいました。まず、僕らがペパさんを日本に招待してコンサートを開き、今回は僕たちがトロントに招待してもらいました」

― 今後のX[iksa]の活動を教えてください

辺見さん「地元で定期的に自主公演をしているんですけど、それを継続しながら各地のコンサートに出演する予定です。日本で僕たちの下地を作って、色んな所で発表できればいいですね。これからも頑張っていきます」

前日のライブでも新しい音楽を創り出そうという熱い想いが繊細な音色から伝わってきたX[iksa]のステージ。今後の活躍にも期待したい。

 
 


Biography

イクサ

辺見康孝( バイオリン) と松村多嘉代( ハープ) によるユニット。2006年10月にデュオとしての初共演以来、これまでに250以上の海外公演の経験を持つ。オリジナル曲を含め、バイオリンとハープによるアン サンブルの可能性を追求している。2008年11月にCDアルバム『X[iksa]』をリリース。

【サイト】www.x-iksa.com