クラシック音楽は自分の原点
YOSHIKI
音楽家 ヨシキ(2014年3月21日記事)

ポジティブなメッセージをライブで伝えたい

昨年9月にソロアルバム「YOSHIKI CLASSICAL」を発売したYOSHIKIさん。約8年ぶりのアルバムは日本をはじめカナダ、アジア諸国など10か国でiTunes Store クラシックトップアルバムチャートで1位を獲得、フランスやノルウェー、オーストラリアでも10位以内に入るなど、世界的な大ヒットを記録した。そんなYOSHIKIさんが2月19日、自身初のソロでのワールドツアー「YOSHIKI CLASSICAL WORLD TOUR 2014」の開 催を発表した。世界8か国10公演を行なう今回のツアーでは5月10日にトロントでの公演を行なう。「忙しいスケジュールの合間にリハーサルを毎晩やっています」という3月上旬、YOSHIKIさんにお話を伺う機会を得た。





― 今回のワールドツアー開催の経緯を教えてください

「8月にソロアルバムのリリースを記念したショーケースをしたんですが、その時の反響がすごく良かったんですよね。会場でパフォーマンスを観ていたアメリカのエージェントから『世界ツアーをした方がいい』って言われたんです。でも、すでに受注している仕事や企画中の仕事もあったので、スケジュール的に無理で。それにクラシックのコンサートで世界を周ることは全く考えていなかったので最初、断ったんですよ。でも、『絶対にやった方がいい』って説得されて…。
周りから押されて今回の世界ツアーに至ったという感じです」

― 4月25日の米国カリフォルニア州のコンサートが皮切りとなる今回のツアー。初日を1か月半後に控えての心境はいかがですか?

「緊張しています。コンサートは何回もやっているし、X JAPANで海外公演も経験しているんですけどね。不安も一杯で…。今回のツアーではピアノとカルテットにちょっと加えた7人編成くらいを考えています。そのアレンジも含めて今、必至に頑張っているんですけど、まだ完成に向かっている段階で、いろんな意味で緊張しています」

― クラシック音楽との出会いを教えてください

「両親のすすめで4歳の時にクラシックピアノを習い始めたんです。子どもの時ってレッスンが嫌になってやめる人が多いですけど、僕の場合は、素直にクラシックに入っていったんですよね。子どもながらにコレだなって。当時、部屋を暗くしてずっとピアノを弾いてたりしたこともありましたね。ピアニストになる! なんて思ってたりもしたんですけど…。
ロックに転向したのは、10歳になった時に父親を亡くしたことがきっかけでした。彼は自殺してしまったんですけど。その時に、母親にドラムを買ってもらってロックと出会って傾倒していきました。それでも大学受験の時には音大に行こうと思って、またクラシックを勉強してましたけどね。結局、進路を決めるぎりぎりになってX JAPAN をやることになって、バンドに走ってしまったんですけど。元々クラシックは自分の中に長いことあるもので、自分の血みたいなものですね」

― X JAPANのお話しが出ましたけど、ソロとバンドでは目指す音楽性に違いはありますか?

「ソロとかバンドとか、ジャズ、クラシック、ロック、ポップでも、ジャンルによって変えるとか、境界線を引いたりはしていないです。僕のこだわりはメロディです。哀しいことだったり、苦しいことだったり、自分の心から湧き出て来るメロディが僕の音楽です」

― ロサンゼルスを拠点にしてからどれくらい経ちますか?

「もう20年くらいになるんですよね。最近は日本や香港とかアジアを含め毎月、毎週どこかに行っているんで、ロスに住んでいるっていう感じはあまりないですね。いろんな国に行っているので、地球に住んでいる感じです」

― 北米の音楽業界と日本の音楽業界との違いは感じられますか?

「エンタテインメントという意味では変わらないと思うんですが、1つあるとしたら、日本の場合は事務所の権力が強いので、アーティスト的には雇われている感じがするんですよ。レーベルがどうとか…。事務所主体で動いている気がするんですよね。北米の人は自分で何とか頑張ろうとしている。レーベルとかそういうことを超えた上で頑張らないとってやっている人が多いと思います。自分で自分をプロデュースしていく人が多いというのは強く感じますね」

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― 米国メディアなどのインタビューには、英語で対応されていますが、語学の習得には苦労しましたか?

「勉強というのは1週間勉強したら1週間前の自分より必ず進歩しているじゃないですか。かけた時間に比例して結果が出て来るから勉強は楽だなと思います。語学なんていうのは、頑張ればできるわけですから、頑張ればいいんです。頑張ってください(笑)。作曲は1週間ずーっと譜面の前に向かってても、出てこないときは出てこないですからね」

― 『スパイダーマン』の原作者として知られるスタン・リーさんがYOSHIKIさんを主人公にしたコミック『Blood Red Dragon』を制作されていますよね。作品制作にはどれくらい携わっているんですか?

「彼が僕をコミックのスーパーヒーローにしていて、彼がイメージした僕ということでやっているので基本的には何も言わないですね。あまりにイメージがかけ離れている時には言いますけど。彼はすごくセンスがいいなって思っています」

Pizza e Pazzi ― ゴールデングローブの公式テーマ曲を手掛けられるなど、米国でも知名度をどんどんあげているYOSHIKIさんですが、今後の目標は何ですか?

「素晴らしい音楽を作り、それを広めたいっていうことですね。そういう部分では、まだ遠いところに夢があるので、そこに向かって今も頑張っているという感じなんです。振り返ると要所要所で成し得たことはあるのかとは思いますけど、僕なんてまだまだです。世界に向かって毎日頑張っていますよ。命がけで」

― X JAPAN でデビューしてから長いキャリアをお持ちですが、いつまでも変わらないですよね。美しさを保つ秘訣があれば教えてください

「…(笑)。ツアー前や撮影がある時など、体を絞らないといけない時は炭水化物をかなり抜きます。毎日していることは赤ワインを寝る前に1本飲んでます。体にいいのか分からないですけどね(笑)。それと、自宅のジムで週に3回、格闘家なみのメニューを2時間くらいこなします。赤ワインを飲んで、トレーニングをいっぱいして、あとは寝ない…。そんな感じです(笑)」

― 最後にトロント公演を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします

「今回の『YOSHIKI CLASSICAL WORLD TOUR 2014』では、ピアニストとして、そして作曲家として公演をします。クラシックと言ってもX JAPAN の曲もやるし、ポップな要素もロック調の曲もあるっていう、エッジの効いた感じで、普通のクラシックコンサートは違う感じにしようと思っています。
僕もアメリカにきて20年近く経つんですが、日本から出て海外で頑張っています。海外で活躍したいと頑張っている人に僕を見に来て欲しいですし、そういう人に力を与えられるように、前向きなメッセージが伝えられるコンサートにしたいと思っています。ぜひ立ち寄ってください」。


※5月10日に予定されていたYoshikiさんの「Yoshiki World Classic Tour」のトロント公演は延期となりました。新たな日程についてはウエブサイトで確認を。
www.yoshiki.net

 
 


Biography

Y O S H I K I

1989年にメジャーデビューしたロックバンド、X Japan のリーダー。1991年にソロ活動を開始、翌年、拠点を日本から米国ロサンゼルスに移す。ソロとしての主な活動には、1999年には天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典の式典にて、奉祝曲「Anniversary」を披露、2005年には日本国際博覧会(愛知万博)の公式イメージソング「I'll Be Your Love」、2012年にはゴールデングローブ賞の公式テーマソングのプロデュースがある。

【オフィシャルサイト】
www.yoshiki.net
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