日本とカナダ、両国作家による文学セミナー

(2015年10月16日)

 

日本ペンクラブとカナダ・ペンによる日本の文化紹介と両国作家の交流イベント「Japan-Canada Literary Conversations」がトロント大学の協力、ジャパンファウンデーション・トロント助成で10月8日に行なわれた 。
当日は日本ペンクラブ会長であり、直木賞受賞作『鉄道員(ぽっぽや)』はじめ数々のベストセラーを持つ作家の浅田次郎さん、紀行エッセイのほか『赤毛のアン』の翻訳で知られる作家・翻訳家の松本侑子さん、そして児童文学に精通する児童文学評論家の野上暁さんの3人が日本から登壇した。
▲左から松本侑子さん、浅田次郎さん、野上暁さん

イベントは1部と2部に分かれ、1部の前半では「『女性』と『子ども』作家の視点」をテーマに、松本さんにより『赤毛のアン』が日本で絶大な支持を集めている背景、そして自身の翻訳体験をプリンスエドワード島の美しい写真とともに解説。その後、前カナダ・ペン会長のキャサリン・ゴヴィエさんは、カナダの作家から見た日本における女性観について、自らの著作『北斎と応為』を元にレクチャーを行なった。後半では、野上さんが、日本の漫画や絵本において、戦争や東日本大震災をどのように伝えてきたかを年代順に作品を挙げて説明した。2部では、国際ペンクラブ会長のジョン・ラルストン・サウルさんと浅田次郎さんによる「戦争と文学」に関する対談が行なわれた。浅田さんは、「戦争を書くことは作家の使命である」と語り、また、「反戦を強く訴える小説よりも、戦場にいる個人の体験を綴り直接的な表現をしないのが日本の戦争文学の特徴である」と話した。計5時間にわたる長いレクチャーだったが、出席者のほとんどが途中退席することなく熱心に耳を傾け、関心の高さが伺えるイベントであった。


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