春の訪れを告げるチューリップは、清々しい友情の証
Canadian Tulip Festival 2011

オタワ、ガティノー市内各所

カナダの首都オタワでは、毎年5月に世界最大規模のチューリップフェスティバルが開催される。 59年目を迎える同フェスティバル、今年のテーマは「万華鏡-色、文化と地域を通して祝う春の目覚め」だ。

このテーマにふさわしく、フェスティバル各会場には50種類を超える100万本以上のチューリップが植えられている。 期間中はオタワとその近郊ガティノー市内のいたるところで元気な花々を見ることができるが、中心となる会場は2つ。オタワの南に位置するダウズ湖横にあるコミッショナーズパークと、リドー運河の始点に沿って広がるメジャーズヒルパークだ。
コミッショナーズパークには約30万本のチューリップが植えられ、競い合うように咲くことで有名。写真に収めれば、思い出に残る貴重な1枚になる風景だ。 また、メジャーズヒルパークはアクティビティの中心地。チューリップをテーマにしたワークショップなどを行なうキッズエリア、飲み物などが楽しめるラウンジエリア、多様なジャンルの音楽やダンス公演を見ることができるインターナショナル・フレンドシップ・ステージなどが設置され、無料のプログラムを多数開催。 両パーク間はシャトルバスで繋がれるので、有効活用して両会場を訪れたい。



心を惹き付ける色とりどりの花チューリップは古くからヨーロッパで愛されてきた花。6世紀末からトルコで栽培され、16世紀ごろヨーロッパ各地に広まったといわれる。 その人気は1637年にオランダで起こった世界初のバブル経済事件「チューリップ・バブル」を引き起こしたことからも伺える。 トルコからオランダに輸入された球根に人気が集中して価格が高騰し、その後大暴落。その高騰ぶりは高級品種の球根1つと邸宅が交換されることもあり、バブル崩壊後はオランダを混乱に陥れたという。 また、トルコやオランダにはチューリップにまつわる民話も残っており、暮らしに深く根づいていることが感じ取れる。



そんなチューリップは国際的な友情の象徴であり、カナダの人々にとって大切な花。それは第2次大戦中、オタワがドイツ軍から逃れたオランダ王室を受け入れたことから始まる。 妊娠中だったオランダのユリアナ王女はオタワで出産することになるが、当時オランダには「王位継承者はオランダ生まれに限る」という法律が…。 そこでオタワは王女が滞在していた病室を一時的にオランダ領とし、生まれたマルグリット王女はオランダ王室の一員として認められたという経緯があるのだ。
戦後、祖国に戻った王女とオランダ政府からは謝意を表し、10万個のチューリップの球根がオタワに贈られた。そして、今日に至るまで毎年1万個の球根がオランダから贈られている。



この国際的な友情を祝おうと1953年に始まったのがチューリップフェスティバルだ。 そういうわけで今では「垣根なきフェスティバル」として知られる同祭では、各国間の友情を示す国際パビリオンが欠かせない。 今年も20近くの国と地域が、大使館の協賛により伝統食や工芸を披露。毎年人気のイベントは、今年も賑やかな様子を見せてくれそうだ。



遠目には色鮮やかなカーペットのようなチューリップ。1つひとつが赤、黄色、ピンクの可憐な花を付け、すっくと上を向いて元気に咲いている。 生き生きとしたチューリップの魅力を穏やかな町で心ゆくまで楽しもう。



Event

Tulip Ball 2011 Presented by Desjardins
4月にリニューアルオープンしたコンベンションセンターで華麗なるダンスパーティーが開催される。歴史あるこのイベント、参加には正装が必須。フローラルアーティストのジョエル・フラピエによるチューリップをあしらった華やかなドレスなども展示されるので、ユネスコ世界遺産に登録されているリドー運河を見渡せる景色とともに楽しんで。
【日 時】5月6日(金) カクテル18:00~、ディナー19:00~
【場 所】Ottawa Convention Centre (55 Colonel By Dr.)
【入場料】一般$250

The Kaleidoscope Community Quilt Project
テキスタイル・アーティストのギャビー・ユエン指導のもと、万華鏡のように咲き乱れるチューリップをイメージした巨大キルトを作成するプロジェクト。約2万5000人の参加者を募っており、刺繍や飾りつけなどでメッセージを込めた端切れを持ち寄る。誰でも参加できるので、ぜひこの歴史的大作の作成者として名を連ねたい。完成したキルトはオタワ市内に飾られる。
【日 時】5月6日(金)~23日(月)
【場 所】Major's Hill Park
【入場料】一般$2、家族(4人)$5
※チューリップパスポート保持者は無料

Treat Mom to the Classics on her Special Day
迫力ある声と華やかな容姿で魅せるマリア・ナピックをソリストに迎え、オタワ・クラシカル・クワイアによる有名クラシック・ナンバーが披露される。母の日の感謝の気持ちを歌声で彩ってみるのもいい。また、オタワ・クラシカル・クワイアは21日(土)20時より、オタワ市内の国立芸術センターにてヴェルディの『レクイエム』を公演予定。レクイエム(葬送曲)でありながらその強い劇場性が特長の作品で、草花が芽吹く季節にぴったりの魂のドラマだ。
【日 時】5月8日(日)11:30 ~
【場 所】Major's Hill Park
【入場料】無料



Canadian Tulip Festival Passport

フェスティバルの中心となるメジャーズヒルパークで開催される数々のアクティビティに参加できる、おみやげ付きパスポート。近辺の博物館、美術館やレストランなどのサービス券も付くので、オタワ・ガティノー滞在をフルに楽しめる。
パスポート料金:$20
 
 
【場 所】オタワ、ガティノー市内各所 ※メジャーズヒル・パークは5月6日~8日、13日~23日のオープン
【日 時】5月6日(金)~23日(月)
【入場料】一部を除き無料