色とりどりの才能で魅せる短編映画祭
Toronto Japanese Short Film Festival 2011

2 Sussex Ave.

昨今急速に認知度を高めているショートフィルム。日本の気鋭アーティストの作品をトロントでもより多くの人に鑑賞してもらいたいと始まった Toronto JapaneseShort Film Festival も今年で8回目の開催となる。国内外で活躍する日本人監督作品に加え、日本をテーマにした作品などこれまでに通算約195作品が上映され、トロントの人々にカジュアルな日本文化を紹介してきた。

今年は「モモ」「ナシ」「イチゴ」「ミカン」「リンゴ」の5つのプログラムが用意されている。それぞれドキュメンタリーにコメディ、ドラマにアニメーションなど、多彩なジャンルの短編映画の詰め合わせが楽しめる、見ごたえのあるプログラムだ。

おすすめはカンヌ、ベルリンなど世界の著名映画祭で名を馳せ、注目を集めている平林勇監督を特集した「モモ」プログラム。数々のテレビコマーシャルを手がけるCMディレクターとして活躍するかたわら監督したショートフィルムは、これまで130以上の国際映画祭で上映され、多数の賞を受賞している。2010年のカンヌ国際映画祭に正式招待された『Shikasha』や最新のアニメーション作品『KIBISO』など、彼の手による6つのフィルムが一挙に上演される貴重な機会なので、ぜひ堪能して。

また、「ナシ」プログラムで上映されるのは『伊豆の踊子』などで知られる文豪・川端康成による短編集『掌の小説』からセレクトされた「愛」と「静」がテーマの4話のオムニバス・ムービー。若手監督4人が映画化したこれらの作品は、全編を通じて映し出される「桜」のテーマが川端特有の清涼感と合わさって、美しく記憶に残る情景を生み出す。

そして今年初めての試みとして、入場無料のトーク&スクリーニングイベントが開催される。日本人監督とともにカナダ最大のショートフィルム映画祭WorldwideShort Film Festival 推薦のトロント人監督らが出席することになっており、作り手と観客の距離がぐっと近づく一夜になりそう。

ショートフィルムは、その短さのおかげで気軽に楽しめるのが大きな魅力の1つ。そのうえ作品を構成する要素が吟味されており、「映画の中で起こることはどんな小さな出来事もすべて必然」という濃密な世界が満喫できる、凝縮されたエンターテイメントだ。「何を映して何を映さないか」という取捨選択を行なった監督の感性に心を沿わせ、数多のドラマを閉じ込めたショートフィルムの面白さを感じたい。

 
 

2 Sussex Ave.

【場 所】Innis Townhall Theatre(2 Sussex Ave.)
【日 時】 3 月17 日(木)~ 20 日(日)