伝統と文化に注目した国際色豊かな映画祭
MONTREAL WORLD FIML FESTIVAL
(2013年8月16日記事)
 Montreal, QC.

第37回モントリオール世界映画祭が8月22日から9月2日まで12日間にわたり開催される。これは、カナダで最も古い映画祭のひとつであり、北米で唯一のコンペティション映画祭でもある。ほぼ同時期に開催されるトロント国際映画祭(今年は9月5日から15日まで)と比べ、いわゆるハリウッド映画といったアメリカの商業映画よりもヨーロッパやフランス語圏の上映作品が多い。さらに、伝統や文化をテーマにした作品が選出される傾向が強いのが特徴だ。
今年の参加国数は80か国以上で、ベテラン監督や新人監督の作品、フィクションからノンフィクションまで、バラエティに富む432本が上映される。賞の部門には、グランプリや最優秀監督賞などがある「フィーチャー・フィルム」部門のほか、一般投票による「パブリック・アワード」部門がある。この部門の賞は、一般の入場者の投票によって決められる。入場チケットに付いている投票権で、来場者が気軽に映画の審査に参加できるのも醍醐味だ。この映画祭では様々な国の映画が賞を受賞しており、こま でに日本映画も数々の賞を受賞している。2008年には滝田洋二郎監督の「おくりびと」がグランプリを獲得。続く09年にも、根岸吉太郎監督が「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜」で最優秀監督賞、昨年は降旗康男監督の「あなたへ」が審査員特別賞を受賞するなど、日本映画はアワードの常連となっている。8作品の日本映画が出品される今年は、田中光敏監督の「利休にたずねよ」がワールド・コンペティションに選出。千利休の生涯を通じ、日本の伝統と美を描いた作品がモントリオールでどのような反響を呼ぶのかに期待がかかる。
この特集ではワールド・コンペティション部門の中から注目の作品をピックアップ。街が最も華やぐこの時期に、モントリオールへの小旅行をかねて映画祭を楽しんでみてはいかがだろう。

【出品国】日本 【上映時間】132分ASK THIS OF RIKYU
(邦題:利休にたずねよ)

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第140回直木賞を受賞した同名小説をもとに、千利休の人生を浮き彫りにした長編作品。「茶ノ湯天下一」と謳われた天才、利休の生涯にわたり秘め続けた恋などが描かれ る。劇中に登場する数々の名器は利休が実際に使っていたものを使用するなど、細部にわたるまで利休の所作を再現。本物志向にこだわった究極の美がスクリーンに甦る。







【出品国】カナダ 【上映時間】97分LA MAISON DU PECHEUR


時はケベック解放戦線による事件「十月危機」の前年1969年。仕事を探しにペルセに出かけたケベック州出身の青年はそこでケベック州の独立活動家である3人の若者に出会う。3人の目的は旅行者に宿を提供し、政治問題を語ること。ケベック州から集まった宿泊者たちは3人に導かれ、カナダからの独立を目指し、十月危機が起こるまでの歴史的経緯が描かれる。

【出品国】スウェーデン 【上映時間】111分LA MAISON DU PECHEUR


スウェーデンの田舎町で育った少女は、幼い頃からの望みであった人気ジャズ歌手になる夢を叶えた。時代はジャズ全盛期の60年代、彼女は人気歌手でありながら女優としても活躍するスターとして成功を掴んだ。華やかな生活の影で彼女が作り上げてきた栄光は徐々に崩れ…。実在したジャズ歌手モニカ・ゼタールンドの実話を元に作られた作品。

【出品国】クロアチア 【上映時間】70分ONE SHOT


発砲事件をきっかけに絡み合う2人の若い女性の運命とは? 検査官として華々しいキャリアを積み、プライベートでも順調な日々を送るアニータ。アルコール中毒である母親の面倒を除けば平凡な日々を過ごしているぺトラ。全く別の人生を歩んでいた2人は、事件の調査によって意外なつながりが判明…。彼女たちの人生は大きく変わっていく。

【出品国】ドイツ 【上映時間】102分WEST


東西ドイツ統一以前の1978年、東ベルリンに住む母ネリーと息子。ネリーは息子の父親である恋人を交通事故で亡くした過去があった。彼を失って以来、生きる気力を失った彼女。深い悲しみと彼との思い出を忘れるには、新たなスタートを切ることが必要だと、東ベルリンから離れることを決意。西ベルリンに行けば新たな 人生が始まると信じていたが…。

【出品国】アメリカ 【上映時間】92分THE RED ROBIN


難民キャンプからの逃亡によるトラウマを抱えた患者の治療に当たる精神科医のナサニエル。ノーベル賞受賞者でもある彼は、妻との間に恵まれた息子の誕生後、5人の養子を迎え、家族としておだやかな生活を営んでいた。病気により他界したナサニエルの死後に明かされたのは養子を迎え入れた真相。その事実により幸せだった家族の歯車が狂いだす。。




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MONTREAL WORLD FILM FESTIVAL


【日 時】8月22日(木)~ 9月2日(月)
【場 所】モントリオール市内の各劇場
【チケット】シングル…$10
      クーポン(10 作品)…$70
      パスポート…$100 
     ※オープニングとクロージング作品を除く上映作品全ての入場券とカタログ、ポスターの割引券が含まれる
     シネファイルパス…$250
     ※オープニングとクロージング作品を除く上映作品
     全ての入場券とカタログ、ポスターが含まれる
     プレスティージメンバーシップ…$750
     ※シネファイルパスに含まれる特典に加え、オープニングとクロージング作品への入場券、
     パーティへの招待券などが含まれる

【連絡先】 514-848-3883
【サイト】 www.ff m-montreal.org

     ※各映画の上映日時などの詳細は上記サイトで確認を