噴火により消えた町ポンペイ 古代ローマの遺産を公開
POMPEII:In the Shadow of the Volcano
(2015年7月17日記事)
古代ローマ時代に生きた人々の鼓動を今に伝える「Pompeii : In the Shadow of the Volcano」が現在ロイヤル・オンタリオ博物館で開催されている。イタリア南部にあった古代都市のポンペイは、西暦79年にイタリア南部、カンパニア地方に位置するベスビオ山の大噴火により、一夜にして埋没してしまう。突如消えてしまったこの町は、その存在を忘れられたまま1600年以上もの時を過ごし、この地の発掘により再び姿を現したのは18世紀のこと。当時、古代ローマ人の保養地として栄えていたポンペイの人口は約2万人と言われ、この自然災害により多くの人が亡くなった。その人骨から当時の人々の生活を探る研究が今も熱心に進められており、考古学者たちの興味が常に注がれている神秘の地だ。このタイムカプセル化した悲劇の町は、1997年に世界遺産に登録。現在はその一部を無料公開し、人気の観光スポットとなっている。

6つのセクションにわけて貴重な展示物を陳列

ロイヤル・オンタリオ博物館では、ポンペイの貴重な展示物を6つのセクションに分けて陳列。「The Living City」では、硬貨や水差しなど、当日の生活を忍ばせる日用品から、巨大な壁画、複雑な細工を施したモザイク画、銀食器や装飾品など生活水準の高さが伺える展示品が並べられ、悲劇が起こる前の古代ローマ人たちの豊かな生活が垣間見れる。これらの展示物約200点の中には、イタリア国外への出品は今回が初となる希少な美術品も含まれているので必見だ。また、「Time Runs out for Pompeii」では、破壊的な噴火の被害を時系列で紹介。さらに「The Human Toll」では、火山噴火により 一瞬のうちに火山灰に覆われ、生き埋めになった人たちについても展示。発掘当時、遺体は腐敗していたものの、火山灰には人型が残っており、そこに石灰を流し込んで蘇らせたという人型は、彼らの最期の姿を再現しており、悲劇を訴えかける。

美しい芸術品から心を痛める遺体の再現など、 古代ローマの息吹を今を生きる私たちに伝えるポンペイ展。展示会期間中は 、エキスパートを招いてのレクチャーなども開催されるので、興味のある人はそちらもチェックして出掛けよう。






1.Girl fastening her peplos (Peplophoros)

紀元前6世紀頃のギリシャ文明の影響を受けているとされる当時のブロンズ製彫刻技術。ねじってまとめる髪型は当時の女性の流行であったといわれている。

Found in the Villa dei Papyri, Herculaneum
© The Superintendence for the Archaeological Heritage of Naples (SAHN)



2.Mosaic of a guard dog

石灰製のモザイク画。犬をモチーフにした画は複数出土されており、古代ローマ時代に狩猟犬、番犬など、犬を飼う習慣があったことが伺える。

© The Superintendence for the Archaeological Heritage of Naples (SAHN)



3.Wall painting depicting the distribution of bread

ポンペイでは、石窯が発掘されておりパン屋が数軒あったとされている。漆喰を塗った壁に石灰水で描くフレスコという高度な技術による壁画。

© The Superintendence for the Archaeological Heritage of Naples (SAHN)



4.Bracelet in the form of a snake

富や権力の象徴であった意味合いの強い当時の装飾品。ゴールドの細い細工からは、高度に発達した古代ローマの貴金属加工技術の高さが伝わってくる。

© The Superintendence for the Archaeological Heritage of Naples(SAHN)



5.Denarius of Julius Caesar

デナリウスと呼ばれる古代ローマ時代に使用されていた小額の硬貨。銀製のコインに描かれているのは、ローマ最大の英雄ジュリアス・シーザー。

Minted at Rome, just before February 15, 44 BCE © ROM 2015



6.Wine drinking cup (cantharus) entwined with ivy leaves

火山噴火前まではぶどうの産地であり、ワイン作りがさかんだったといわれるポンペイ。銀製のコップに施されているのはツタの葉のモチーフ。

© The Superintendence for the Archaeological Heritage of Naples (SAHN)



7.Gladiator Helmet

当時の最大の余興は、広い闘技場で観客を大勢集めて行なう剣闘士闘技。 ポンペイでも重いブロンズの装身具で装着した 剣闘士たちの死闘が繰り広げられていた。

With permission of the Superintendence for the ArchaeologicalHeritage of Naples (SAHN)
© ROM 2015



8.Free-blown jar imitating the form of a bronze vessel

紀元前に発明されたといわれる吹きガラスの手法。ポンペイでも水差しをはじめ、さまざまな吹きガラス製品が出土している。

© The Superintendence for the Archaeological Heritage of Naples (SAHN)



Information


【期 間】開催中~ 2016年1月3日(日)
【場 所】Royal Ontario Museum (100 Queen's Park)
【入場料】大人$28、シニア(65才以上)$25.50、学生(15~25歳)$25.50、
               子ども(4~14歳)$20
【連絡先】416-586-8000
【サイト】www.rom.on.ca
※金曜の16時30分以降は大人$21、シニア・学生$$19、子ども$13
※学生は学生証を持参のこと。
※この他、グループ割引やガイド付きツアーなども有。詳しくはサイトを参照のこと。