500年に亘る封建王朝の栄華を再現
紫禁城の秘宝を大公開
The Forbidden City:
Inside the Court of China's Emperors

(2014年3月7日記事)

Royal Ontario Museum

416-586-8000

現在、中国北京の観光名所として1日5万人の観光客が訪れると言われる故宮博物院。元々は故宮と呼ばれた王宮で、この建造物の由来は、中国王朝時代の明にまで遡る。明の永楽帝(えいらくてい)により1406年に改築を開始。14年の歳月をかけて建築されたこの地は、その後清朝滅亡まで宮殿として使われ、皇帝家族の住居と同時に政治の中心地でもあった。中国の天文学に従い、北極星(天帝)を皇帝になぞらえ、地上に「紫微垣(しびえん)」を再現した領域として建てられたこの皇宮は、紫微垣の「紫」と、皇帝やその家族、使用人以外の立ち入りが厳しく禁止されていたことから「紫禁城」という異名を持つ。その厳かで華麗な建造物は、清の最後の皇帝、溥儀の人生の軌跡を描いた歴史大作映画「ラストエンペラー」(1988年公開)の舞台として記憶に残っている人も多いのではないだろうか。 

500年に亘り王朝の栄華の象徴であった紫禁城がその歴史の幕を閉じたのは1911年に起こった辛亥革命が理由。時の皇帝、溥儀がこの地を去った翌年の1925年に、紫禁城は、故宮博物院と改称され、清朝が所有していた美術品などの一般公開が始まった。敷地面積72万平方メートルを有し、90以上の建造物とおよそ8700室の部屋で構成されている世界最大級の皇宮には、約150万の美術品が収蔵されている。所々に清朝建築の精華が散りばめられた博物院は、1961年に中国国内の重要保護文化遺産に選定。さらに1987年にはユネスコの世界遺産として認定され、世界で最も重要な博物館の1つとされている。

さて、この故宮博物院に所蔵されている貴重な展示物を観賞できるのが3月8日から始まるロイヤル・オンタリオ博物館(ROM)の特別展「The Forbidden City: Inside the Court of China's Emperors」。当時の皇帝らが身につけていた金や銀、翡翠などの高価な装飾品から調度品など200点以上の展示物が並ぶ。なかには中国国外では初公開という稀少な美術品もあるので見逃せない。また、特別展開催期間中には専門家を招いたレクチャーなどの関連イベントも開催される。紫禁城の歴史、王朝時代の史実に対する知識を深める絶好のチャンスだ。
屋外でのアクティビティがまだ限られているこの時期、ROMで古代王朝の歴史を紐解く知的な時間を過ごしてみるのはいかがだろうか。

Portrait of Emperor Yongzheng in his study

Cyrolophosaurus
清の第五皇帝である雍正帝(ようせいてい)の肖像画。雍正帝は皇位継承問題の際に、相続争いの起こりそうな兄弟を監禁し、独裁権確立を目指すなど恐怖政治を行なったことで有名である一方、史上稀に見る勤勉な皇帝としても知られている。

Anonymous court painter Ink and colour on silk Qing dynasty, Yongzheng period The Palace Museum,
Gu6446 Ht. 171.3 cm Wi. 156.5 cm


Child emperor's ceremonial robe (chaofu)

Cyrolophosaurus
清朝第10代皇帝同治帝(どうちてい)が若干6歳の時に行なわれた皇帝就任式にて一度だけ着たとされるシルク仕立ての衣装。

Embroidered silk and fur Qing dynasty,
Tongzhi period The Palace Museum, Gu43554


Ewer

Cyrolophosaurus
輝くばかりの金と色鮮やかな宝石で装飾された豪華な水差しは、皇帝の誕生日など特別な祭事の時にだけ使われたと言われている。

Gold and gemstones Qing dynasty
The Palace Museum, Gu12132


Imperial Throne set

Cyrolophosaurus
歴代の皇帝のみが座ることを許された王座は、宮廷の支配者であり絶対的な権力の象徴であった。

Lacquered wood and jade Qing dynasty, Qianlong period
The Palace Museum, Gu115711


Prince Yinzhen's paiting of Twelve Beauties

Cyrolophosaurus
12枚つづりの美人画のうちの1枚。描かれている女性は第5代皇帝雍正帝の側室のうちの1人とされる女性。

Anonymous court painter Ink and colour on silk Qing dynasty, Kangxi period, 18th century The Palace Museum,
Gu6458 10/12 Ht. 184 cm Wi. 98 cm


Woman's nail guard

Woman's nail guard
長い爪は高位であることの証であったといい、その爪を守るためのネイルガードは、実用品から装飾品へと移行。西大后の時代には金や銀、羽などがデコレーションされ、最も華美であったと言われる。

Gilt silver, beads, gemstones, and kingfisher feathers Qing dynasty
The Palace Museum, Gu225579 Le. 9 cm


Vase

Vase
清の第6代皇帝乾隆帝(けんりゅうてい)時代の後期の作品だとされている花瓶。ひょうたん型は権利の象徴、コウモリのモチーフは、幸運と繁栄を表している。

Porcelain with red and blue-green enamels Qing dynasty, Qianlong mark and period
The Palace Museum, Gu154692
Ht. 33.3 Di. 11.4 cm (base)


Chicken cup

Vase
明朝第9代皇帝である成化帝が自らの母のために作らせたとされる、「成化豆彩」と呼ばれる製法で作られた焼物。中でもこの「チキンカップ」と呼ばれるこの陶磁器は、最も稀少で価値の高いものとされている。

PorcelainMing dynasty, Chenghua mark and period
The Palace Museum, Gu145644



Photos © Th e Palace Museum

Editor's Blog: 「ROM紫禁城展The Forbidden City : Inside the Court of China's Emperors」メディア・プレビューに行ってきました!はコチラ!

Information


【日 時】3月8日(土)~ 9 月1 日(月)
【場 所】Royal Ontario Museum (100 Queen's Park)
【入場料】大人/ 通常$25 / 金曜$21
     シニア(65才以上)・学生(15~25才)/ 通常$24.50 / 金曜$19
     子ども(4~14才)/ 通常$19 / 金曜$13
     幼児(3歳以下)無料
      ※学生は学生証を持参のこと。
      この他、グループ割引やガイド付きツアーなども有。詳しくはサイトを参照のこと。
      

【連絡先】416-586-8000
【サイト】www.rom.on.ca